子宮卵管造影検査で妊娠することも
子宮卵管造影検査が妊娠に与える影響
子宮卵管造影という検査によって
高い妊娠効果が認められるといことを
神戸ARTレディスクリニックのHPを読み知りました。
子宮卵管造影はあくまで検査です。
レントゲンを通さない液体を子宮に満たして、
子宮の形状、卵管の疎通性、状態を
視覚的に診断するという内容です。
この検査で使用する造影剤の種類によっては、妊娠に有意に影響するとのこと。
不妊治療は高額な医療費がかかると敬遠している方も多いかと思います。
でも、検査だけならそこまでハードルが高いわけでもありませんよね。
子宮卵管造影検査は自費でも2万円程度、
せいぜい3万円以内です。保険適用ならもっとお安くなります。
不妊症かな、と不安を抱えている方には、十分価値のある検査なのではないでしょうか。
それでは、もうちょっと詳しく見ていきまたいと思います。
無治療の対照群における子宮卵管造影検査および
使用する造影剤の種類による影響をまとめたデータベースが
根拠として提示されています。
治療していないのに子宮卵管造影検査の後で妊娠した!
それがどんな条件下で起きたのか、というお話です。
まず、子宮卵管造影検査に用いられる造影剤には、
水溶性タイプと油性タイプがあります。
・油性造影剤によるフラッシュを行ったグループでは妊娠率の改善が認められた
(OR 1.80、95%CL 1.29-2.50)
・水溶性造影剤では同様の改善はなかった
(OR 0.87、95%CL 0.50-1.52)
・油性と水溶性造影剤の直接比較では、前者が優位に高い妊娠率だった
(OR 1.92、95%CL 1.60-2.29)
また、被験者の不妊症タイプによる比較では、
子宮卵管造影検査による妊娠率改善効果は
「原因不明不妊患者」>「卵管因子不妊患者」
の構図となりました。
卵管閉塞や卵管水腫など、卵管因子による不妊症よりも
原因不明不妊のほうがより大きく改善したとのことです。
油性の造影剤には卵管のよごれを洗い流す効果がある
卵管は直径約1mmほどの繊細な器官です。
そして、この細い管が詰まってしまうと、卵子が通過できず、不妊となります。
何が詰まるのか?
その正体は有機物です。
水溶性の造影剤では妊娠に有意な影響がほとんどなく、
油性の造影剤なら改善したというのは、
この「詰まり」の内容物の性質が関係しているのです。
油性の薬剤は有機物による「詰まり」を溶かして洗い流すと考えられます。
シャンプーやせっけん、ボディソープを使わずに水をかけても、
身体の汚れはほとんど落ちませんよね? それと同じことです。
子宮卵管造影検査は妊娠率が改善しないことも
卵管因子の不妊は、卵管水腫など、卵管の構造そのものが
変化してしまっているケースがあります。
その場合、薬剤で卵管に詰まっている「栓」を溶かそうとしても、
卵管の管が通っていないので意味がありません。
卵管水腫の主な原因は感染症です。
炎症の原因を取り除く治療を行い、卵管の復旧が難しい場合には、
卵胞を採取して行う高度生殖医療の適用となるでしょう。
不妊治療のための検査や治療は、身体に負担の少ないものから始めて、
必要に応じて難しいもの、負担が大きいものへと進んでいく経路をたどります。
少しでも身体に害のない検査を、少しでも身体に負担が少ない治療を、
少しでも費用がかからないように済ませよう、それが合言葉です。
医師とよく相談して、納得した上で検査や治療を進めるようにしましょう。
0コメント