男性の不妊、精液検査から分かること
不妊症かどうか調べる検査25・男性の不妊症検査「精液検査」
男性の不妊症検査「精液検査」のお話です。
が、その前に。
日本は男尊女卑の気質が強い国だと言われています。
少なくとも、先進諸国の中では突出して女性の社会参加率が低く、
国会議員の女性割合を見ても明らかな傾向でしょう。
2021年3月の報道によると、2020年のデータで、
日本の女性議員の割合は世界で166位だったそうです。
G7最低の166位。世界の女性議員の割合は25%で、日本の女性議員の割合はわずか9.9%。
歴代首相はすべて男性。
かつて話題になったお騒がせ女性議員の発言
「女性議員はアイドル、笑っていればいい」をふと思い出しました。
「ちがうだろー!」のフレーズで有名になったあのヒトです。
……話が反れました。
ともかく、そういったお国柄のせいなのかなんなのか、
「不妊治療は女性が受けるものでしょ」と思い込んでいる人が多いようなのです。
少し個人的なお話をしますと、私がレディスクリニックに通っていた時、
夫は「自分は送り迎えまで」という立場を絶対に崩そうとしませんでした。
「男性が不妊症検査を受けるのはありえない」
「男性が検査を受けることを話題にするのもイヤ」
そういうスタンスで、精液検査を始めとした検査を
(男である)自分が受けるくらいなら子供はいらない。
それほどまで、男性の不妊症検査に抵抗があるようでした。
これから不妊症の検査や治療を受けよう、あるいは、
その相談をしようと考えている女性のみなさまは、ぜひ私のケースを踏まえ、
心構えをもって行動していただきたいと思います。
どうやって男性に精液検査を受けてもらうか、どのように話せばいいか、
男性医師に相談してみるのもいいかもしれません。
男性の不妊症検査、精液検査
男性不妊症の割合は不妊症患者全体の40~50%で、
近年増加傾向にあります。
(参照:「不妊治療 体外受精のすすめ /成田収著 /南山堂」)
精液検査は男性側の不妊症検査でいちばん最初に行うべき検査で、
精液を採取して精液を調べるだけなので、身体への負担はまったくありません。
このようにご紹介すると、女性は気軽に考えがちです。
しかし、それこそが落とし穴で、精液検査をすすめただけで夫婦関係が悪化したり、
ひどい場合には離婚にいたったりということも……。
精液検査では以下の項目を調べます。
・精液量
・精液のph
・精子濃度
・総精子数
・総運動率
・前進運動率
・正常形態率
・精子生存率
・白血球
私の知る神戸ARTレディスクリニックのHPでは、
WHO(世界保健機構)の定義する正常値の基準を採用しています。
すなわち、精子の総数は2000万匹以上。
動いている精子の割合は50%以上。
正常な形態の精子の割合は30%以上。それが最低限の数値なのだと。
精液の採取は、自宅、またはクリニックの採精室で行います。
自宅採取の場合は採取から3時間以内に検査にかける必要があります。
この検査で精液の異常が認められると、以下のいずれかを診断し、
治療するかどうか、また、どのように治療するかの検討に進むことになります。
・無精液症
・逆行性射精
・無力奇形精子症
・血精液症
・死滅精液症
・乏精子精子無力症
・乏精子精子無力奇形精子症
・乏精子奇形精子症
・乏精子症
・奇形精子症
なお、男性の精神状態や体調は、精液の状態に大きく影響するそうです。
ストレスを感じていたり、疲れていたりするだけでも
精液の状態が悪くなるのだとか。
なので、1回精液検査を受けて結果が悪くても、
それだけで男性不妊と決めつけるのは早計です。
複数回精液検査を受けて結果が変動しなかったら、それから将来について
話し合うようにしてください。
どんな夫婦でいたいか、どんな将来を目指すか、
そしてそのために、夫婦がそれぞれどれだけ努力できるのか。
2人で見つめる未来の風景を、具体的に思い描いて話し合うことが大切です。
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