不育症?不妊の検査

不妊症かどうか調べる検査24・自己免疫疾患を調べる

若い夫婦が避妊せずに夫婦生活を持っていて、

それでも1年間妊娠が確認できなければ不妊症といえます。

ただし、これだけでは原因はわかりません。

そこで必要になるのが不妊症かどうか、また、その原因を調べる検査というわけです。

今回ご紹介する検査は、自己免疫疾患のうち、

特に流産を引き起こす危険因子となる「血液の凝固異常の検査」です。

順を追ってご説明しますね!

不育症を引き起こす「抗リン脂質抗体症候群」

現在、不育症というタイプの不妊症で第一の原因とされているのが

「抗リン脂質抗体症候群」という体質です。

これが自己免疫疾患に分類されます。

抗リン脂質抗体症候群では体のあちこちに血栓ができやすく、

そのせいで胎児への栄養供給が阻まれ、流産や死産を招きやすいのです。

そのため、「抗リン脂質抗体症候群」のサインである

抗リン脂質抗体の有無を調べる検査が推奨されるわけです。

●血液の凝固異常の検査

「抗リン脂質抗体症候群」の正体は血液の凝固異常です。

血液の凝固異常で調べるターゲットは「ループスアンチコアグラント」

「抗カルジオリピン抗体」「抗カルジオリピンβ2グリコプロテインⅠ抗体」などです。

血液の検査なので、基本は血液検査となりますね。

この検査を受ける際には、絶食期間など、血液検査に指示された注意事項を

守るようになさってください。

抗体検査によって「不育症」の原因を絞る

不育症は胎児が育たず流産してしまう、それを繰り返すことです。

抗リン脂質抗体症候群は第一の原因とご紹介しましたね。つまり、他にも原因があります。

第一が抗リン脂質抗体症候群。

第二が子宮の奇形など。

第三が甲状腺機能の異常。

第四が夫婦のいずれか、または双方にある染色体異常です。

抗リン脂質抗体症候群以外の原因であればこの検査では原因を特定できませんが、

第一の可能性を排除できた、つまり、不育症の原因に1歩迫ったという成果は得られます。

不妊症の検査に臨む方にとっては、「外れの検査でも意義はある」

その精神が肝要です。

不妊症の検査は夫婦がそろって受けることが大切

私の知る神戸ARTレディスクリニックでは

「不妊症の検査は夫婦がそろって受けることが大切」としています。

というのも、女性だけの原因による不妊症は45%で、

のこりの55%は男性側の原因か、夫婦双方の原因だからです。

「抗リン脂質抗体症候群」の検査については女性が対象です。

そのほかに、男性も一緒に受けるべき検査があるという認識を、

ぜひご夫婦で共有しておいていただきたいと思います。

30代からの不妊治療や検査のことブログでつづる

30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。