夫婦で不妊検査、遺伝子や染色体の異常は?

夫婦の染色体と遺伝子が原因の不妊症

前回、「抗リン脂質抗体症候群」による不育症(不妊症)と、

その検査をピックアップしました。

今回はそれに関連した話題です。

夫婦の染色体と遺伝子が原因の不妊症についてレポートします。

「抗リン脂質抗体症候群」の場合は血栓ができやすいことが

胎児の成長を阻む要因でした。胎児の成長が維持できず、

途中で流産、死産してしまう、そういうタイプの不妊症です。

では、染色体と遺伝子が原因となる不妊症に、

そのほかにはどのようなタイプがあるのでしょうか?

染色体の均衡型転座、ロバートソン転座

染色体の均衡型転座やロバートソン転座を持つ人は、

流産や死産を繰り返し、生児が得られていないと言います。

では、染色体の均衡型転座とロバートソン転座とは?

染色体が途中で切断され、誤って別の染色体と再結合することがあります。

そうしてできた異常な染色体はまた別の染色体と結合しますが、

その結果、一部が欠落した染色体となります。これを転座といいます。

染色体の情報不足によって流産や死産が起こるという考え方です。

ロバートソン転座も染色体の異常な結合を意味しています。

ロバートソン転座は染色体の「短腕」を失っているため不均衡が起きやすく、

流産や死産につながります。

染色体は短腕の部分に生命活動などに必要な情報を内包しているそうです。

原発無月経、ターナー症候群、クラインフェルター症候群

原発無月経、ターナー症候群、クラインフェルター症候群では

染色体異常を伴い、自然妊娠ができないと言います。

どういうことなのでしょうか?

クラインフェルター症候群は男性に起こる先天性異常です。

染色体はXとYの二種類の組み合わせですが、

X染色体が過剰な状態を意味し、それによって男性ホルモン不足、

ひいては無精子症、不妊症へとつながっていきます。

クラインフェルター症候群の場合は

思春期までに治療を行う必要があります。

ターナー症候群は女性の遺伝子異常で、

2本のX染色体のうち片方が部分的または全体を喪失した状態で

生まれてくる先天性異常です。

こちらも染色体の情報不足による障害が不妊症につながります。

根本的な治療法はなく、ホルモン療法による成長補助などが

対策となっているそうです。

原発無月経は原因が分からない無月経の総称です。

ただし、近年では原発無月経のうち一部が、遺伝子の異常が原因と

確認されるようになりました。

原発無月経の女性や無精子症の男性は要注意!!

女性の場合は月経がないこと、男性の場合は男性的な性徴が見られないことなどが、

染色体や遺伝子の検査を受けるべきサインです。

見た目だけでは分からない部分も多いですから、なかなか妊娠できないご夫婦は

こうした側面も医師に相談してみてもいいかもしれませんね。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。