薬剤性の多嚢胞性卵巣症候群は「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」
このところ集中的にレポートしている
治療に際して卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こす可能性がある
ということもご紹介しました。
今回はその症状を詳しく掘り下げていこうと思います。
卵胞の成長を促す排卵誘発剤は、本来ならば排卵できない状態の卵巣に鞭打つ役割です。
その時点で卵巣は過剰な刺激を受けているわけですが、
排卵誘発剤は主に採卵するために用いられます。
卵胞が成熟したところで採卵するので、自然にはじけて飛び出すようにはいきません。
それで卵巣が腫れるのも当然と言えるでしょう。
私が参考にしているレディースクリニックのホームページでも
完全な予防は困難と明記してあります。
ただし、確実にOHSSと診断できる割合は一般的な飲み薬で2.5%、
注射などで沢山卵子を採取する時には6.6~8.4%くらいだそうです。
それほど多くはないのかもしれませんね。
とはいえ、PCOとPCOSがあれば卵子の凍結保存は大きな選択肢のひとつで、
凍結保存するための卵子を採取するには排卵誘発剤を使うわけですから、
そのうちの最小2.5%、最大8.4%となると、決して無視していいリスクではありません。
OHSSの重症化は症状の早期発見がカギになる
OHSSの症状を詳しく見てみましょう。
・ 胸水がたまる
・ 腹水がたまる
これらは排卵を誘発するゴナドトロピンというホルモン物質のひとつ、
hCGが「排卵後の」黄体と、残存する小卵胞に働きかけた結果、
腹水の貯留を招く物質を発生させて起こるとのことです。
一時的にhCGが過剰になるだけならば時間の経過とともに症状が軽くなっていくそうですが、妊娠が成立すると胎盤から大量のhCGが放出されるようになって
OHSSは重症化へ向かうのだとか。
この予防には凍結胚移植などで間を置くなどの方法が有効です。
・ 体重増加
・ 尿量が減る
・ 血液が濃くなる
・ 下腹部が膨れ上がる
これらの症状はすべてつながっています。
卵巣が腫れるために下腹部が膨れ上がり、腎不全によって尿量が減少、
同時に血液の濃縮が起こり、血栓症リスクが跳ね上がります。
繰り返しますがOHSSは完全に予防することはできません。
重症化を以下に防ぐかが肝心です。
PCOとPCOSがOHSSを引き起こしやすいのは確実で、
この治療を必要とするのは多くが妊娠を望んでいる時。
であるならば、重症化が懸念されるPCOとPCOSの治療、
採卵、妊娠を連続させず、間隔をあけてタイミングを計るスケジュールを組むべきです。
健康な女性でも妊娠中には血栓症のリスクが高くなります。
OHSSを発症すればなおさらでしょう。
これから治療する方は、無理をせず、体調と相談しながら症状の改善を
目指すことを心がけてください。母となる女性は自分の命だけでなく、
もうひとつの命にも責任を持たなければならないのですから。
命の重みを背負う喜びってどんな感じがするんでしょうか。
もしかしたら私は無理かもしれないな、と感じ始めています。
インターネットでは匿名掲示板がありますから、情報収集をしていて
心無い書き込みを見つけてしまうこともあります。
ちょうど「不妊治療をする私の年齢層」に対する攻撃的な意見を読んでしまったので、
気持ちが弱っているのかもしれません。
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