男性が受ける不妊症の検査の概要
不妊治療がうまくいくかどうかは治療方針を決めるための
検査次第と言っても過言ではありません。
それくらい不妊症の検査は重要です。
例えば男性が受ける不妊症検査について。
男性が不妊症かどうか確かめるためには、
まず精液検査、次にホルモン検査、性器の検査、精巣組織検査、
輸精管造影検査といった具合に進めていきます。
男性の不妊症は精液そのものの問題、
性機能をつかさどる部分の問題、性器そのものの問題、
精液が通過する輸精管の問題など、無数の可能性があります。
まずはそこから原因を特定しなければなりません。
精液検査で所見が異常ならば造精機能その他に障害がある証拠です。
そのほかにどの検査を受ける流れになるかは精液検査の結果次第というわけです。
●精液検査
精液を採取して精子の数が少なかったり、正常に活動している精子の数が少ない場合、
造精機能がうまく働いていなかったり、輸精管が閉鎖していたりといった
障害が考えられます。
●ホルモン検査
造精機能の障害はホルモンバランスが原因で起こっているケースもあります。
このホルモン検査では男性も女性と同じくFSH、LH、プロラクチンなどの
ホルモン物質を測定します。
ホルモン異常の治療で造精機能の回復が期待できる場合もあるので、
医師に指示されたら必ずホルモン検査を受けるようにしてください。
●性器の検査
陰嚢、陰茎、前立腺の異常がないかを調べます。
触診、直腸診などで精巣静脈瘤や前立腺炎が見つかることもあるのだとか。
前立腺炎は前立腺がんと関連するので、
もし炎症所見があれば心に留めておくといいでしょう。
●精巣組織検査
男性の方は嫌な予感がするかもしれませんね。
これはほとんどの男性にとって「しんどい」項目のようです。
男性器のなかでも最もナイーブな部分に直接針を刺すわけですから、
想像するのも嫌という声が聞こえてきそうです。
でも、精液検査で精子が確認できなかったり、少なかったりしたら
この検査を受けることになります。
精子をつくるもとになる細胞がきちんと存在しているか、働いているかを調べます。
●輸精管造影検査
この検査で男性不妊の度合いが分かります。
輸精管が詰まっているだけで精巣に精子があるなら顕微授精で妊娠可能です。
男性の不妊症検査をおおむねご理解いただけたでしょうか?
一組一組違う不妊治療。「最短ルート」で成功を目指そう
不妊症の原因は多様です。
10人の患者がいれば10の原因があり、10通りの治療計画が必要になります。
女性が妊娠できる能力は30代中盤から急激に低下していくので、
タイムリミットを考えれば早く結果を出したいと考えるのが当然です。
しかし、不妊治療は女性の排卵周期に沿って進めるため、
どうしても1回1回にある程度の時間がかかります。
また、不妊治療は繰り返すほど成功率が低下する性質があります。
不妊治療を望むみなさまには、的確で無駄のない治療を行うことの
重要性をよくかみしめていただきたいと思います。
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