フーナーテスト以外の子宮頸管粘液の検査
子宮頸管粘液の検査
不妊症の検査のなかで基礎的な立ち位置にあるフーナーテストは、
排卵直前のタイミングで性交を行ったうえで子宮頸管粘液を採取して、
精子の侵入を防ぐ異常がないかどうかを確認する検査です。
通常の子宮頸管粘液は粘度が高く、異物の侵入を防ぐ役割を持っています。
しかし、排卵期に近づくとさらさらした状態になって、
精子が泳ぎやすい環境を作るものなのです。
精液検査の結果が正常である場合、
この検査で子宮頸管の内側に精子がなかったり、
精子が動いていなかったりするのは女性側に「何か」がある証拠です。
「何か」を突き止めなければ治療は始められません。
したがって、子宮と子宮頸管粘液について以下の検査を行う運びになります。
●子宮頸管粘液の検査
・頸管粘液の量の検査
・頸管粘液の牽糸性の検査
・羊歯状結晶の検査
・炎症の検査
・抗精子抗体の検査
軽くご説明します。
体質と病気の確認と治療
子宮頸管粘液の量、質は、言ってみれば体質です。
採取できた子宮頸管粘液の量、粘度からまずは
精子が侵入できる状態かどうかがわかります。
次に、採取した子宮頸管粘液を乾燥させるとエストロゲン濃度を測る
手がかりである「羊歯状結晶」を得られます。
エストロゲン分泌が不十分な方は子宮頸管粘液の分泌量や質が低下しがちなので、
これらで引っかかるとすれば、女性ホルモンがなぜ足りないのか
確かめるため別の検査に進みます。
また、子宮頸管粘液にもともと精子を殺してしまう
抗精子抗体が含まれているケースがあり、
これが病的な素因による症状でない場合には
ほぼ体外受精しか解決策はないようです。
ただし、漢方療法で体質が変わる可能性もあるそうで、
健康維持のためにも体外受精をする女性は漢方療法を併用することをおすすめします。
不妊治療が原因で抗精子抗体が強くなるケースもある
度重なる人工授精によって子宮頸管粘液の
抗精子抗体濃度が強くなる場合があるそうです。
「度重なる人工授精」となるとその時点である程度の年齢になると推測されます。
そうなると治療方法の選択肢も狭まってきますが、
もしタイムリミットまで余裕があれば以下の対策で抗精子抗体濃度が
薄くなる可能性があると聞きました。
・性交するときは必ず避妊具(コンドーム)を使う
・漢方療法を長期的に行って体質改善を目指す
・食事や栄養バランスを見直して長期計画を立てる
妊娠したいのにコンドームを使うというのは矛盾かもしれません。
しかし、精子が子宮に何度も侵入した結果、
身体が身を守らなければならないと判断した結果なのです。
まずは身体に「もう大丈夫だよ」「緊張しなくていいよ」
「警戒しないで」と呼びかけて警戒態勢が解除されるなら、
体外受精よりよほど身体にやさしいですよね。
とはいえこれはあくまで理想的見解です。
30代の方、後がない方は、できるだけ早く体外受精に進むことをおすすめします。
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