不妊治療の費用の話

高度生殖補助医療(ART)の力で生まれた子ども

「生殖補助医療出生児」の割合は増加傾向にあります。

不妊治療はタイミング法や人工授精を経てARTへと進む

ステップアップ方式が一般的ですから、

一般不妊治療で生まれた子どもの数はもっともっと多いと考えられます。

平成30年1月に発表された厚生労働省のレポートによると、

平成18年から平成26年の9年間で「生殖補助医療出生児」の割合は

1,79から4,71に増加しているというのです。

少子化が深刻化する現在、総出生児数そのものが減少しています。

そのいっぽうで生殖補助医療出生児数は19,587人(平成18年)から

47,322人(平成26年)に増えており、私たち日本人が、

男女ともに子どもを作る能力を失いつつあることを意識させる結果となりました。

今、不妊治療は子どもを産むための「当たり前の」選択肢のひとつになっています。

不妊治療を受けたからと言って100%妊娠できるとは限りません。

また、いざ治療を受けようと病院に行って、

高額な費用の壁に打ちのめされるケースも少なくないのです。

不妊治療にどれだけ費用が掛かるのかまとめてみました。

これから不妊治療を検討する方はご参考になさってください。

治療内容のレベルと患者の年齢によって費用が変わってくる

治療内容と患者年齢によって平均額が異なります。

治療を継続した期間も費用総額にかかわってくるので、

不妊治療に至るまでの期間、治療レベルごとの平均費用、

年齢別費用平均などをまとめていきます。

■不妊治療に至るまでの期間

・不妊症かもしれないと感じてからすぐ…12,63%

・半年以内…24,91%

・1年以内…19,8%

・2年以内…17,75%

・3年以内…6.83%

不妊治療を「不妊症かもしれない」と感じてから半年以内に始めた割合が最多でした。

次点が1年以内で、その次が2年以内。「すぐに」の割合は4番目です。

回答者の方々のなかなか思い切れなかった心情、よくわかります。

むしろ、半年以内でよく決断できたなと感心するくらいです。

■治療レベルごとの費用平均

・タイミング法…数千円/1回あたり

・人工授精…1~2万円/1回あたり(保険適用外)

・体外受精…20~60万円/1回あたり(保険適用外)

・顕微授精…35~70万円/1回あたり(保険適用外)

これらの基本料金はクリニックによって変わってきます。

そして、1回あたりの治療に伴い採卵、採精、卵子や精子の凍結保存、顕微授精で

出来上がった胚の凍結保存など、それぞれに高額な費用がかかります。

高度生殖医療の総費用の平均は193万円で、300万円以上の分布も多く、

中には1000万円以上と回答したカップルもいたようです。

■年齢別の費用平均

・30代前半…約150万円

・40歳…400万円弱

・45歳…3,700万円前後

・47歳…2億円以上

30代後半からはどんどん妊孕率が低下していきます。

急激に妊娠しにくくなっていくため、30代後半、

特に40歳以降は不妊治療にかかる費用も高騰します。

一刻を争う治療となります。経済的にも、身体的にも、精神的にも

過酷な取り組みとなるでしょう。

私も他人事ではありません。まだ間に合う女性のみなさまには、

「今より若い時間はあなたにはもう二度と訪れない」ということを

よく考えていただきたいと思います。

「不妊治療に要した期間」についてもまとめるつもりでしたが、

長くなってしまいましたね。

別の機会にしておきます。

いつまで、幾らまで頑張るか。簡単に答えが出る問題ではないですから。

30代からの不妊治療や検査のことブログでつづる

30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。