不妊か調べる検査、卵管通水、通気検査
不妊症かどうかを調べる検査9・造影剤の安全性と卵管通水、通気検査
子宮卵管造影検査のレポートの続きです。
造影検査では体内にヨード剤を注入します。
ヨード剤が子宮から卵管を経て腹腔内に入り込み、
自然に排出されるわけですが、それってつまり薬剤をいったん細胞に
取り込んでいるんですよね。
しかも、薬剤が子宮と卵管に直接触れているので、何らかの影響があるのでは?
と心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
少なくとも、私は不安な気持ちになったものです。
神戸ARTレディスクリニックでは子宮卵管造影検査に用いるヨード剤について、
油溶性タイプと水溶性タイプそれぞれの安全性を評価した
「Cochraneレビュー」を掲載し、リスクを否定しています。
クリニックサイトの掲載物は無断転載禁止だそうですので、
概要だけご紹介しますね。
子宮卵管造影検査に用いる造影剤の評価
子宮卵管造影検査に用いた油性または水溶性造影剤の効果を比較したところ、
油性造影剤の使用によって妊娠率の改善が見られたそうです。
水溶性造影剤ではそのような効果は認められず、
特に原因不明不妊患者に対して有効性が大きかったのだとか。
また、残念ながら卵管因子不妊の患者に対しては卵管疎通検査による
治療効果は薄かったと言います。
造影剤の健康への影響は、その他の侵襲的検査に比べると
はるかに軽いため、新たな検査を考える前に、積極的に実施すべきとのことです。
より身体への負担が軽い卵管通水検査、卵管通気検査
造影剤が身体に吸収されること自体にどのような影響が
想定されるのか気になっていたのですが、
不妊治療の資料ではそこまでは分かりませんでした。
あくまで不妊症に対する効果がテーマですから、仕方ないのかもしれませんね。
でも、治療を受ける側としてはそこも重要な問題です。
たとえ妊娠できても、それで母体が病んでしまうとしたら、
生まれる子や家族に無用な負担を与えることになります。
原因不明不妊で、排卵がうまくいっていない、
卵管が見た目は正常でも閉塞している可能性がある場合、やはり卵管疎通性検査を
行っておきたいところです。
でも、どんなお薬でも体にとっては異物です。
卵管水腫などがないと分かっている女性の場合ならば、
注入する素材はガスや生理食塩水で十分です。
治療の一環として繰り返しこの検査を行う方には、
生理食塩水の使用が推奨されます。
この生理食塩水に色素を混ぜると「卵管通色素法」という検査になります。
子宮腔に色素水を注入し、一定時間で色のついた尿が観察できれば
通過性があると確認できるというわけです。
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