不妊治療でインドの73歳女性が出産
不妊治療に関する気になるニュース「73歳女性が双子出産」
最近、不妊症や不妊治療に関して気になったニュースの話題です。
イギリスの公共放送BBCが2019年9月6日に公開したニュースによると、
インドで73歳の女性がIVF治療を受け、双子の女児を出産したとのこと。
夫は82歳、妻は73歳、まだまだ女性が難しい立場に置かれている
インドという国で、子どもに恵まれなかった夫婦は
周囲からの厳しい視線にさらされ続けてきたと言います。
報道は夫婦がIVF治療によって無事、双子の女児を出産したこと、
「今が一番幸せ」という夫婦のコメントなどをシンプルに伝えていました。
日本語版では妻の妊娠期間中に夫が心臓発作を起こしたことなども
盛り込んでいましたが、おおむね客観的なニュース記事でした。
●IVFとは(おさらい用語解説)
IVFとは、体外で受精した胚を移植する体外受精という不妊治療のことです。
顕微鏡下で人工授精した胚を移植する顕微授精はICSIといい、
IVFとICSIの総称を生殖補助医療ARTと呼びます。
子どもを望む強い願いが夫婦を突き動かした
不妊治療の技術は高度化し、自己卵子が枯渇した
高齢女性ですら出産が可能になっています。
それでも、高齢出産のリスクは変わりません。
老化した身体にとって、妊娠は負担が大きすぎるからです。
また、生まれた子どもを育てる時間が夫婦に残されているかどうかも問題です。
無事に双子が生まれたわけですが、
82歳と73歳の夫婦にはそれほど体力はないでしょうし、
厳しいことを言えば余命そのものが十分ではないはず。
子どもたちが大人になるまでの生活を、誰が守ることになるのでしょうか?
「子どもが欲しい」という強い願いは全てを飛び越えて
夫婦を突き動かすほどの力を持ちます。
その衝動は理屈では説明できません。彼らは出産によって生じる困難を恐れるよりも、
子どもを胸に抱く幸せを享受することを選んだのだと感じました。
高齢出産の難しさ、不可能を可能にした医療技術への驚き
神戸ARTレディスクリニックは、40代後半ですでに妊娠が困難であると明記しています。
サイトのQ&Aによると、個人差はあり、
卵巣年齢によっては可能性があるものの、やはり困難であると言わざるを得ないそうです。
それにも関わらず、今回の報道では73歳女性が健康な女児を、
しかも双子で、無事に出産したと知らされたのですから驚くしかないですよね。
とはいえ、日本ではこの治療は不可能です。
73歳ともなれば、卵子は第三者からの提供になりますから。
そして私自身、第三者の卵子で生まれた子どもを
自分の子どもだと思えるかどうかは微妙なところです。
海外では第三者から卵子の提供を受けての不妊治療、代理出産なども
盛んに行われていると聞きます。第三者から卵子の提供を受けて
代理出産で子どもを設けたとしたら、精子が夫の物であったとしても、
それはもはや他人の子どもですよね。
今回報道されたご夫婦の喜びを否定する意図はありませんが、
自分のお腹で子どもをはぐくんだとしても、卵子が他人のものであるなら
やはりそれは自分の子どもではない、と私は思ってしまいます。
それなのに、私には「今が一番幸せ」という夫婦のコメントが
非常にまぶしく輝いているように見えるのです。
皆さんはどう思われますか?
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