不妊症の原因につながる高プロラクチン

薬剤性高プロラクチン血症vol.11:抗精神病薬04

不妊症の原因のひとつ、病気治療などのために処方された

薬剤が引き起こす「薬剤性高プロラクチン」について、

お薬ひとつひとつを取り上げてレポートしてきました。

今月からまた再開しますが、お薬レポートは頻度を下げるつもりです。

その分、このブログの本筋である不妊治療に関する情報を

より幅広く取り扱っていくようにしたいと思います。

さて、今回取り上げるのはイミノジベンジル系の抗精神病薬、

「クロカプラミン」と「モサプラミン」の2種類です。

抗精神病薬には旧世代型の「定型抗精神病薬」と、

後発型の「非定型抗精神病薬」の区別があり、クロカプラミンもモサプラミンも

前者に該当します。

定型抗精神病薬は近代型精神病治療の黎明期に開発された古いお薬で、

副作用リスクが高いところが難点と言えます。

非定型抗精神病薬は定型向精神薬の問題点を解消する目的で登場しました。

ところが、実際に非定型抗精神病薬が運用されるようになると、

より大きな危険性をはらむお薬も混ざっていることが判明したのです。

古いお薬だからダメ、新しいお薬だからイイ、と単純には決めつけられません。

もし「クロカプラミン」「モサプラミン」をあなたが処方されたとしたら、

なぜそのお薬を処方されたのか、なぜ他のお薬ではダメなのか、

医師と綿密にコミュニケーションなさることをおすすめします。

クロカプラミン

用途:イミノベンシル系抗精神病薬の特徴は精神深津作用があるところだそうです。

イミノベンシル系のクロカプラミンは統合失調症のお薬で、

ドーパミンの作用を抑えることで幻覚、幻聴、妄想などの諸症状や、

脳の情報伝達系の機能を改善します。

副作用:

眠気、注意力や反射運動能力の低下、口の渇き、手の震え、身体のこわばり、

つっぱり、目のかすみ、動悸などが比較的よく見られるとのこと。(錐体外路症状)

また、クロカプラミンの長期服用によって「遅発性ジスキネジア」や、

「悪性症候群」という別の病気を引き起こす可能性も指摘されています。

「遅発性ジスキネジア」については口周辺の異常運動や舌の震えがサインです。

「悪性症候群」については体の硬直や高熱がサインです。

いずれも高齢の方はリスクが高くなるのでご注意ください。

そのほかには「無顆粒球症」「重い不整脈」「マヒ性イレウス」

「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)」「静脈血栓」「肺塞栓症」など。

稀に起こる副作用にもご注意を。歩行困難、ひきつけ、目の異常運動、不眠、吐き気、便秘、尿量減少、血圧低下、体重増加、肝臓の異常、発疹など。

モサプラミン

用途:クロカプラミンと同じ系統のお薬で、統合失調症の治療に用いられます。

ドーパミン遮断薬です。

副作用:副作用はクロカプラミンと同じだと思ってよさそうです。

ただし、クロカプラミンもモサプラミンも、一部の第二世代(非定型抗精神病薬)より

むしろリスクが低いと判定されることがあります。

第二世代が実際に運用開始された時、旧世代型のお薬よりもむしろ

命の危険性が高いものがあると分かったからです。

命を失うほどの副作用があるお薬なんて怖くて使えないですから、仕方ありませんね。


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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。