コロナで不妊治療の不安、今できること
【不妊治療ニュース】広がる声
不妊治療を受けている患者を支援するNPO団体がこの夏に調査を行い、
不妊治療中の女性の8割が「不妊治療や通院に不安や心配を感じた」と
答えたことが分かりました。
「(不妊治療や通院に)不安や心配を感じた」83%
さらにその理由を問いかけると、女性たちは口々に不安の声を上げました。
「自分が感染することの不安」70%
「年齢が上がることへの不安や焦り」69%
「感染した際の胎児への影響が心配」55%
これまで不妊治療女性はそもそも身体的、経済的、精神的、時間的な負担を感じてきた、
そこに、不妊治療を続ける場合に生じる新型コロナウィルス感染症への
感染リスク増大が新しい不安として加わったと、調査団体は指摘しています。
新型コロナウィルス感染症は妊娠している女性から胎児へと影響するのでしょうか?
(報道参考:共同通信https://www.47news.jp/news/5177526.html)
新型コロナウィルス感染症の母子感染について
新型コロナウィルス感染症のパンデミックで不妊治療女性が
抱くようになった不安のひとつ、
「不妊治療が成功して妊娠したとして、その時に自身が新型コロナウィルス感染症に
感染したら胎児に影響するのか」
この点は世界的に検証不十分と言わざるを得ないでしょう。
ある研究機関では
「赤ちゃんの先天性障害や流産のリスクが高いとする報告はありません」
「妊娠中の新型コロナウィルス感染症感染での経過や重症度は非妊婦と変わらなかった」
などと記載しています。
(参考:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/covid_bosei_kusuri.html)
ただし、AFP通信によると2020年7月16日に
「母親のお腹にいる胎児への新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)の母子感染が
初めて確認された」とのことで、あくまで危険性を判定するだけのデータがない、
判断できないというだけなのです。
(参考:https://www.afpbb.com/articles/-/3294034)
実際に母子感染が確認されている以上、
「(不妊治療や通院に)不安や心配を感じた」83%の女性の不安は的中しているわけです。
母体から胎児へ新型コロナウィルスが母子感染する理由
AFP通信が報じた母子感染の症例は、フランスで確認されたものでした。
新生児に見られた症状は脳が腫れる脳腫脹(のうしゅちょう)や神経系の症状で、
命にかかわるほどではなかったとのこと。
いつどうやって感染したのかが議論の的になったものの、
出産方式が帝王切開だったため胎盤を経由して出産前に母子感染が起こったとする
結論に達したようです。
新型コロナウィルスは、目や鼻、口から侵入して感染すると、
どんどん増殖して体中に広がります。
その分布は体表面に限らず、子宮など体内の臓器へもおよびます。
胎児は母親のお腹の最も奥深くにまもられているものの、
新型コロナウィルス感染症に対しては無防備ともいえる状態ということが
明らかになりました。
不妊治療を実施している病院、クリニックがこれに対してできることは、
アクリルカウンターの設置やフェイルシールドの装着、
患者待合室の徹底消毒や、ソーシャルディスタンスの確保、それと、
患者の健康状態に応じた選別などです。
もうわかっていることです。
この世界から新型コロナウィルス感染症はなくならないのです。
リスクと付き合っていかなければならないのです。
私たちは新型コロナウィルス感染症の不安と自ら戦うしかないのだと思います。
不妊治療を受けている女性、受け続けたいと思っている女性、
予定通りになんとか進めたいと焦っている女性の皆さまは、今こそご自分の生活を、
人生を、足元から見直す時なのかもしれませんね。
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