甲状腺ホルモンが乱れると不妊になることも
不妊症かどうか調べる検査14・甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモン
当ブログの本筋に回帰して、
不妊症かどうか調べるための検査に関するレポートを再開します。
今回のテーマは「甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモン」です。
私の知っている参考はまずこちら、
神戸ARTレディスクリニックの「ホルモン検査」のページ。
次に、書籍「不妊治療 体外受精のすすめ/成田収・P18」
さらに、大阪医科大学による検査の手引き
の3つをピックアップしておきます。
よかったらクリックしてご自身でもチェックしてみてください。
不妊症の検査:甲状腺モルモンと副腎皮質ホルモンの測定
●甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモン測定の意義
甲状腺ホルモンは体全体の代謝を調節する重要な神経伝達物質です。
甲状腺ホルモンの異常分泌が起こると代謝が乱れ、結果的に月経不順や排卵障害、
ひいては不妊症、不育症につながると言われています。
実際、不妊治療の現場では甲状腺ホルモン異常を抱える女性に多く不妊症、
不育症が確認されているそうです。
副腎皮質ホルモンも同様です。心臓、肺、腎臓、脳といった
全身の重要な臓器の代謝機能を調節しています。
●甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモン測定
・甲状腺ホルモン測定のターゲット物質は2種類のホルモン「T3」「T4」です。
・副腎皮質ホルモン測定のターゲット物質は3種類のステロイドホルモン
「アルドステロン」「コルチゾール」「DHEA」です。
いずれも血中もしくは尿中に拡散してターゲットとなる臓器に向かう成分であるため、
検査方法は採血もしくは採尿となります。
平常時のホルモン値を測定するための採血検査のポイントは、
食物摂取の影響を避けるため、早朝の食事をとる前の空腹時に採血するか、
軽い食事から4時間後程度のタイミングで採血することです。
採尿のポイントは、激しい運動後を避けること、出始めと終わりを避けて
「中間尿」を取るように気を付けることです。
内分泌系の異常には別の病気が隠れている可能性も!
甲状腺や副腎皮質は「内分泌系」のホルモン製造機関です。
ホルモン生産の指示は視床下部から下垂体へ、下垂体から内分泌系各機関へと
伝達されています。
もしも甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの値に異常があるならば、
それは上位器官に何かしら不都合がある可能性も示唆するわけです。
例えばそれが脳腫瘍であった場合、良性であっても命の危険を伴う可能性があります。
下垂体腺腫などの脳腫瘍については専門の脳神経外科で治療を行う運びになります。
原発性の甲状腺機能異常症については不妊治療の一環です。
不妊治療を専門とするクリニックでは脳の検査まではできませんので、
医師と相談のうえ、他院も賢く併用して検査と治療を進めていくといいでしょう。
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