甲状腺にしこり?不妊につながるかもしれない

不妊症かどうか調べる検査16-2・

甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症

前回は甲状腺機能が正常かどうか知る手がかりになる

ホルモン検査についてご紹介しました。

血液中に単独で存在している甲状腺ホルモン、遊離トリヨードサイロニンと

遊離サイロキシンの多寡と、TSHの数値を組み合わせると甲状腺の働きを

推察できるという内容でした。

今回は前回の内容を引き継いで、不妊症につながる甲状腺の病気、

甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症についてレポートしたいと思います。

具体的な病気の名前と症状をまとめていきますので、

症状にお心当たりのある妊娠適齢期の方はぜひお早めに医師にご相談ください。

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私の知る神戸ARTレディスクリニックでも

妊娠に対する甲状腺機能の大切さについて書かれていました。

https://www.ivf.co.jp/?page_id=76

伊藤病院

→甲状腺機能と不妊、流産に関する記述

https://www.ito-hospital.jp/03_infertility/01_infertility.html

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不妊につながる「甲状腺機能亢進症」と「甲状腺機能低下症」の病名と症状

●甲状腺機能亢進症

・バセドウ病

甲状腺機能亢進症に分類される甲状腺の病気として最も有名かもしれないものがこれ、バセドウ病です。好発年齢は20から50歳で、とりわけ30から40歳がハイリスクだと言われています。症状は甲状腺腫、眼球突出、頻脈が特徴で、これら3つを「メルセブルグの三徴と言うそうです。ただし、これら3つの症状が必ず揃うとは限りません。むしろ、ひとつも見られない方もいらっしゃるとのこと。要は、きちんと検査してみなければ確実なところは分からないということですね。

瞼や目、見え方の違和感。心臓や内臓の働きに関する違和感。集中力の低下、いらつき、倦怠感、手足の震えなどもバセドウ病のサインとなります。

●甲状腺機能低下症

・橋本病

甲状腺の炎症が原因で起こる病気、橋本病。慢性甲状腺炎とも呼ばれ、多くの場合は甲状腺機能が低下します。好発年齢は20歳以降、特にハイリスクなのは30から40歳の女性です。

主なサインは甲状腺の腫れと、甲状腺機能低下による全身の症状です。

甲状腺が首を触って分かるほど腫れている。不自然に顔や身体がむくむ。皮膚が異常に乾燥する。急に寒がりになる。食欲がないのに太る。心臓の動きが悪くなる。気力が湧かなくなる。力が入らなくなる。肩こりがひどくなる。月経の時の経血量が増えて、出血する期間が長くなる。これらの症状がある方は橋本病の可能性があります。

・亜急性甲状腺炎

一時的な甲状腺機能低下症を伴う病気です。一時的な症状で、自然に軽快するケースが少なくないようです。

甲状腺に炎症が起こる病気で、急性よりは長く炎症が続くものの、慢性というほど長期的ではないことから「亜急性」と呼ばれています。甲状腺の腫れ、痛み、発熱が主な症状で、甲状腺の炎症によって一時的に血中甲状腺ホルモン値が高くなるものの、山を越えると甲状腺ホルモン値はいったん減少し、甲状腺の状態が改善するとともに正常値に戻ります。

甲状腺ホルモンの血中値が高い時期にはバセドウ病と同じような症状が現れるとのこと。

●それ以外

・単純性びまん性甲状腺腫大

甲状腺機能には問題がない段階ではあるものの甲状腺に腫れが見られるケース。調べた時点では甲状腺機能に異常がなかったとしても、将来はわかりません。バセドウ病や橋本病といった病気に発展する可能性があるので注意が必要です。早めに治療しておくべきでしょう。

・結節性甲状腺腫

甲状腺の腫瘍で、甲状腺機能に影響がないものを指します。腫瘍、つまり、部分的な腫れ、しこり全般です。しこりの中身は袋状の嚢胞であることもあります。

甲状腺の一部が腫れるだけで甲状腺機能にも異常がないため自覚のない方も多い層です。ただし、腫瘍は悪性の場合もありますから、首にさわって甲状腺のしこりに気付いたらお早めに医師の診断を受けることをおすすめします。

これらが代表的な甲状腺の病気です。

バセドウ病を治療しながら妊娠し、お子さまを無事に産んだ女性だっていらっしゃいます。大切なのは、きちんと自分の身体を知り、管理することなのです。

異常があるかないか、しっかり検査をうけて調べ、把握し、向き合うようにしたいものですね。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。