不妊治療の保険適用、個人負担のこと

【不妊治療ニュース】不妊治療関連ニュース斜め読み

不妊治療関連の話題といったら、このところはやはり菅首相が主導する

不妊治療の保険適用と、その周辺の動向です。

テレビでもラジオでも、この件が取り上げられない日がないくらい。

それほど大きなニュースですから。

2020(令和2)年10月26日に菅内閣総理大臣の所信表明演説が行われました。

9月の内閣発足から約1ヶ月。

菅内閣としては男性不妊の治療も保険適用の対象にする方針を明らかにするなど、

本気で不妊治療を「当たり前の医療」に組み込む意思が伺えます。


医療関係者や政治家、若い男女、妊娠適齢期を過ぎた女性、

不妊治療に失敗した女性、さまざまな立場の人がいます。

不妊治療はぜひとも保険適用するべきだと喜ぶ人もいれば、不妊治療の保険適用なんて

するべきじゃないという人もいるわけです。

というわけで、現時点で出てきている反応をまとめてみました。

ちなみに私はどちらかというと賛成派です。

●実務関連者の声

厚生労働省など、不妊治療の保険適用化に際して実際に動く立場の人々は

複雑な思いを抱いているようです。

現行の医療制度では「混合診療」が保険適用外の取り扱いになります。

そして、不妊治療は基本的に混合医療です。

この壁をどうやって超えればいいのか。

個人として反対はしないけれど、実務者としては戸惑いを禁じ得ない

といったところでしょう。

●不妊症患者の声

不妊治療を受ける患者は9割が菅内閣の意思表明を歓迎している

というデータがあります。菅内閣発足から1ヶ月程度の時点を

切り取った限りでは、一般人は基本的に喜んでいると見ていいでしょう。

●医療関係者の声

医療関係者、とくに、自分自身が不妊治療の実施者である場合には、

自分自身もまた当事者になります。政府関係者と同じように難局と捉える一方で、

より多くの患者に不妊治療を提供できるようになると前向きに捉える傾向があるようです。

●その他の声

・不妊治療を受ける人は増えているのに、今から保険適用する意味があるの?

・不妊治療の保険適用化の前に不妊治療の成功率を挙げるのが先じゃないの?

・不妊治療の保険適用化じゃ高額所得者の優遇にしかならないのではないか

・現実的に考えて、不妊治療の保険適用化は実質的に無理だと思う

・もっと早く不妊症患者のために動いてほしかった

・不妊治療が無料の国もあるのに……

不妊症を対岸の火事だと思っている人々は、

不妊治療の保険適用化のメリットよりも、いかに困難な事業であるのかが

気になるようです。

ニュースサイト、報道番組、新聞社など、それぞれにリサーチする範囲が違いますから、

対立する意見が出ることもそれはあるでしょう。

ただし、各社報道を俯瞰的に眺めていると、日本社会全体が徐々に

姿勢を改めつつあるように感じます。

●私個人の見解を最後に少しだけ

不妊治療の個人負担が減るのはきっといいことなのでしょう。

でも、実はこれって根本的な解決にはなっていないんですよね。

出生率の低下の背景には晩婚化や不妊症患者の増加があります。

なぜ不妊症患者が増えるのか、おおもとを追求しない限り

問題の先送りにしかなりません。とはいえ、今の段階で打てる対策としては、

不妊治療の保険適用化は高く評価できると思っています。

実現するかどうかがさかんに議論されていますけれども、たぶん限定的な範囲での

保険適用になるのじゃないかな?

というのが私の予想です。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。