男性ホルモンが不妊治療に使われてるってほんとう!?
不妊治療豆知識としての男性ホルモン編
先月取り上げた不妊症の検査のひとつ、
男性ホルモンの項目から派生のレポートです。
ちょっと気になる記事をいくつか見つけてしまいました。
簡単にその内容をまとめるとこうなります。
1・男性ホルモン製剤を女性に投与して不妊治療が成功した事例がある
2・女性は加齢とともに男性ホルモンの分泌量が増える
女性の身体が女性らしさを保つには女性ホルモンがバランスよく分泌され、
機能している必要があります。
そのために、私の知る神戸ARTレディスクリニックの検査項目では
血液検査が基礎になっています。
●再確認●
女性ホルモンの検査によって、身体の状態が妊娠に適しているか
どうか確認できます。男性ホルモンの検査もその一環で、
その場合の不妊治療は、男性ホルモンを大量に分泌させている
問題の解消が優先で、その次に、妊娠しやすい環境を整える治療となります。
では話題の1から進めていきましょう。
【その1】男性ホルモン製剤による不妊治療が成功した
大東製薬という製薬会社のレポートを目にする機会がありました。
そこで取り上げられていた話題なのですが、女性の体内で分泌される
男性ホルモンは排卵障害、ひいては不妊症のもとになるというのに、
あえて男性ホルモン製剤を女性に塗布して妊娠を促すことが可能だというのです。
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もともとのレポートが出たのが2012年4月。今から10年近く昔のお話。
体外受精の成功率が低い女性にテストステロン製剤を経皮投与したところ、
妊娠および生存出生率が増加したとのこと。
日本産科産婦人科学会の学術講演会でも取り上げられ、
成功例を連ねて話題になったようです。
また、テストステロン製剤の投与は女性の性欲不振に対しても効果があるそうで、
リスクコントロールさえきちんとできれば、女性に対しても
男性ホルモン製剤は非常に有意義であると言える一面はありそうです。
とはいえ、製薬会社が「薬」を否定するわけもなし……。
それに、日本産科産婦人科学会も製薬会社とは強く結束していますから、
うのみにするのも怖いですよねぇ。
不妊治療でどうしても成果が上がらない時には、
医師と相談して使ってみるのもいいかもしれません。
参考:https://www.daito-p.co.jp/reference/testosterone_of_female.htm
【その2】女性は加齢とともに男性ホルモンの分泌量が増える
若い女性と男性の血液を採取して男性ホルモンの値を比較すると、
女性は男性の10分の1から20分の1程度なのだそうです。
ところが、50代60代になってくると女性の男性ホルモン値が
男性に迫っていくというのです。
なんと実測で3分の1にまで迫っているケースもあったのだとか。
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女性は更年期を迎えると急激に女性ホルモンの分泌量が減少します。
その体内バランスに身体が順応しよう、女性ホルモンが不足しても
身体を維持しようとして、男性ホルモンの分泌量が増えると言われています。
つまり、更年期の女性は男子の思春期に相当するっていうから驚きです!
で、これが……やっぱり結構古くて、2010年6月の話題だった模様。
●総評●
女性の身体が元気でいるためにも多少は男性ホルモンが必要だし、
更年期以降の生命維持を考えても男性ホルモンを分泌できる機能は
守る必要があります。だけど、妊娠して母親になりたい女性に対しては
その働きが味方になるとは限りません。
排卵障害からの不妊症を引き起こすリスクが必ずつきまとうからです。
不妊治療の成功率を引き上げるために男性ホルモン製剤を使用する場合は、
他の選択肢を吟味し、他に道がないと結論した上で実施すること、
リスクをきちんと把握し、問題が生じた際の対応を想定しておくことが大切です。
これについては医師によるアドバイスをご参考になさってください。
妊娠適齢期を過ぎ、さらに更年期を迎えた女性は、
今度はいかに男性ホルモンを味方につけるか、いかに効率よくホルモン物質を分泌させ、
活用するかが人生の品質を上げる秘訣になってきます。
女性はライフステージによって、健康維持のポイントが変わってくる。
それが、今回とりあげた二つの話題が導く結論なのかなと思います。
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