不妊の原因にもなる子宮トラブル
子宮内腔の癒着(アッシャーマン症候群)が起きる理由
前回レポートした子宮鏡検査で、「子宮内膜の癒着」というワードが出ました。
子宮鏡検査で発見できる子宮トラブルのひとつです。
今回は、「子宮内膜の癒着」に注目してレポートします。
なぜ子宮内膜の癒着が起こるのか、どうして不妊症になるのか解説していきます。
長くなりすぎないようなら、治療についても触れたいと思います。
不妊症の原因となる「子宮内膜の癒着(アッシャーマン症候群)」はなぜ起こるのか
子宮内腔の癒着(アッシャーマン症候群)
子宮内膜が癒着して子宮内腔が歪んでしまったり、
閉塞してしまったりする状態をアッシャーマン症候群といいます。
アッシャーマン症候群の原因は炎症であり、
また、この炎症を引き起こすきっかけとしては、搔破手術、
出産や流産後の子宮復古不全などが挙げられます。
細胞組織が炎症によって崩壊し、回復過程で接触していた他の部位と
結合してしまう現象が起こるのです。
それが、中絶や出産、流産からアッシャーマン症候群へと至る理由です。
また、中絶等で子宮内に傷ができ、そこに何らかの菌が感染して
アッシャーマン症候群になる場合もあります。
病原菌の感染がアッシャーマン症候群の頻度を高めることは確実ですので、
子宮掻破、出産、流産などの術後ケアはとっても大切です。
これから子宮の手術を控えている方はご注意ください。
※掻破手術:中絶などの際に子宮の内容物を掻きだす処置のこと
※子宮復古:胎児の成長とともに大きくなった子宮が元の状態に戻ること
私の知るクリニックでの子宮の異常についても書かれています。
子宮内腔の癒着(アッシャーマン症候群)の治療にもリスクあり!
子宮内腔の癒着を解消する治療は「剥離手術」となります。
具体的には、経腟的に器具を子宮内に送り込み、
物理的に癒着部分を分離するのです。
この治療にはそれなりにリスクを伴います。
不妊治療目的の子宮内視鏡手術なのに、このために子宮穿孔が起きて
妊娠が見込めなくなるといったような可能性もあるわけです。
アッシャーマン症候群の治療は、いまでは原則的に
子宮鏡下で行われる手術となっていますが、
内視鏡手術には高い技術力が必要です。
内視鏡手術の経験が豊富な医師と、そういう医師が在籍していて、
内視鏡手術のノウハウを蓄積しているクリニックや病院を選んで
治療を受けることをおすすめします。
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