精神的に不安定な方の薬の分類
薬剤性高プロラクチン血症vol.15-抗精神病薬08
このブログではすっかりおなじみとなった、
薬剤性高プロラクチン血症を引き起こすお薬レポートの続きです。
なかなか終わりません。
まだまだ続きますよ~。
精神的に不安定な方、胃腸が弱い方は、
この「薬剤性高プロラクチン血症シリーズ」をぜひチェックして
おいていただきたいと思います。
私は妊娠したい時期にこれまでにご紹介した
お薬の中にある複数のものを処方されていたんです。
あの頃にもっと注意していればな、と後悔したものです。
これからの女性の方は、ぜひ私の失敗を教訓になさってください。
精神神経用薬の分類「抗うつ病」について
抗うつ病の薬は、精神神経用剤のなかで「抗うつ剤」として
独立した領域を築いています。
主に統合失調症や気分障害などに対して処方される「抗精神病薬」では
旧型のお薬を「定型抗精神病薬」、旧来のお薬で問題となっていた
副作用を抑えた新しいお薬を「非定型抗精神病薬」と分類していますが、
「抗うつ剤」ではその分類は
「三環系(第一世代)」
最初のうつ病治療薬世代です。
うつ病を治療するという面だけで言えば
最も効果が高いタイプの治療薬ですが、
副作用が強く、心臓への負担が大きいため、服用できない人もいます。
「四環系(第二世代)」
第一世代の三環系に比べると副作用は軽減されているタイプです。
ただし、副作用の軽減と同時に本来の目的であるうつ病の治療効果も
薄れているので、三環系から四環系に薬を変えて、
鬱病が悪化するケースも考えられるかも?
「SSRI(第三世代)」
第一世代から第二世代への変更では、副作用のリスクとともに効果まで
引き下げられてしまいました。
その教訓を下敷きにして誕生したのが第三世代「SSRI」ですが、
副作用リスクを抑えることはやはり治療効果の減衰に直結しました。
ただし、第三世代「SSRI」は四環系よりさらに副作用のリスクが
抑えられているので、医療現場では三環系うつ剤に変わって
よく処方されるようになったタイプです。
「SNRI(第四世代)」
第一世代に匹敵するほどの効果があり、作用発現も早いが
悪心などの副作用が出るおそれは極めて少なく、
SSRIとともにいまでは第一選択薬としてよく運用されているタイプです。
「NaSSA(新規)」
神経伝達を促進して脳の働きを底上げし、精神症状を改善するお薬です。
長期服用するタイプであり、副作用として眠気が出るため
日中の服用はできれば避けた方がいいお薬です。
となっています。
これから取り上げていく「薬剤性高プロラクチン血症の原因になる抗うつ剤」
リストは以下の通りです。
三環系:イミプラミン(トフラニール)、クロミプラミン(アナフラニール)
四環系:マプロチリン(ルジオミール)
その他:トラゾドン(デジレル、レスリン)、パロキセチン(パキシル)、フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)、セルトラリン(ジェイゾロフト)
続きます。
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