高プロラクチン血症の原因とお薬
薬剤性高プロラクチン血症vol.17-抗精神病薬10
「三環系」「四環系」以外の抗うつ病薬について
先月に引き続き、薬剤性高プロラクチン血症の原因として
ピックアップされているお薬についてレポートしていきます。
高プロラクチン血症は不妊症の原因のひとつですから、
これらのお薬とは計画的に付き合うといいでしょう。
「高プロラクチン血症」が妊娠に与える影響については
私が知っている神戸ARTレディスクリニックは
参考になるかと思います。
神戸ARTレディスクリニックでは妊娠の仕組みや、
不妊症、不妊治療に対する知識を、患者となる女性と
そのパートナーが正しく身に着けることを推奨しています。なので、
HPの情報量はかなり多いので参考にもしています。
うつ病や躁病、統合失調症のような精神の病気は、
「精神病」とひとくくりにされがちですよね。
しかし、治療に用いられる精神神経用薬の側面から考えると、
統合失調症とうつ病は全く別の系統になっています。
うつ病の治療を目的とするお薬が「抗うつ薬」と、独立した分類になっているのが
その証拠です。
「うつ病」は重症になると、死病さえ引き寄せる可能性があります。
現代日本ではすべての人に身近な病気となっていますから、
今回ご紹介する抗うつ薬について、「自分にも関係がある薬だ」という意識で
お読みいただければ幸いです。
トラゾドン(デジレル、レスリン)
用途:うつ病、パニック障害、過食症などの治療を目的に処方されます。
「SSRI」というタイプに近いお薬とのこと。
うつ病に対しては、セロトニンというホルモン物質の脳内残存量を増やすことで
効果をもたらします。ただし、24歳以下の方や、単なるうつ病ではなく
躁うつ病の方については逆効果になることがあるため、基本的に処方されません。
副作用:薬剤師会のレポートで高プロラクチン血症の原因になると指摘されています。
危険な副作用としては「悪性症候群」「セロトニン症候群」
「麻痺性イレウス」や、重い不整脈、血液障害が指摘されています。
異常な発汗や身体の硬直、体温上昇、おなかの不調といった変化があったら、
すぐ医師に相談するようにしてください。
参考:http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1179037.html
※「SSRI」は「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」のこと
パロキセチン(パキシル)
用途:うつ病、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、
外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療に用いられるお薬です。
トラゾドンと同じく、セロトニンの再取り込みを阻害して
脳内のセロトニン量を増やす「SSRI」に分類されます。
三環系、四環系に続く第三世代の抗うつ薬です。
副作用:有効成分の放出がゆるやかであるため副作用は
軽減されているとされるお薬ですが、24歳以下の若い方に対するリスクは
トラゾドンと変わらず、また、服用中止時の離脱症状が起こりやすい
という指摘もあります。
服用は薬剤性高プロラクチン血症、悪性症候群、セロトニン症候群、
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、横紋筋融解症、
血液障害、肝臓の障害、幻覚やせん妄といった精神症状などが、
パロキセチンの注意すべき副作用です。
参考:http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1179041.html
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
用途:選択的セロトニン再取り込み阻害薬であり、
うつ病、強迫性障害、社会不安障害(社交不安障害)などの
治療を目的として処方されます。
脳内のセロトニン量を増やして気分を改善する効果が期待できます。
ただし、24歳以下の服用には症状悪化のリスクがあるため注意が必要です。
副作用:副作用は、セロトニン症候群、意識障害、悪性症候群、
アナフィラキシー、ショック、幻覚やせん妄、血液障害、肝臓の障害、
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、高プロラクチン血症などがあります。
参考:http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1179039.html
セルトラリン(ジェイゾロフト)
用途:選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のひとつで、
うつ病、パニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)など
さまざまな心の不調に対応するお薬です。
薬理作用がセロトニンに対応する期間にだけ働くため、
従来の三環系、四環系の抗うつ薬よりはリスクが軽減されているようです。
SSRIとしては国内三番目のお薬です。
副作用:高プロラクチン血症、セロトニン症候群、悪性症候群、
肝臓の障害、けいれん、昏睡、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、
皮膚や粘膜の重い障害、アナフィラキシーなどが副作用として
指摘されています。
SSRI系統では重い副作用の頻度は低くはなっているそうですが、
薬の働きから考えて全くリスクがないとは言えません。
服用する際には十分注意してください。
参考:http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1179046.html
少し長くなってしまいましたが、今回は以上です!
お読みくださりありがとうございました!
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