花粉症とかアレルギーと不妊症の関係

薬剤性高プロラクチン血症vol.19-抗アレルギー薬

アレルギー疾患とその治療に関連する不妊症についてご紹介します。

「薬剤性高プロラクチン血症」レポートの続きで、

今回取り上げるのは「オキサトミド(セルテクト)」というお薬です。

オキサトミド(セルテクト)と不妊症の関連性についてひも解いてみましょう。

まずはオキサトミド(セルテクト)について。

薬剤:オキサトミド(セルテクト)

特徴:アレルギーの症状を抑えるために処方されるお薬です。

効果:アレルギー反応はヒスタミンというホルモン物質と、

ヒスタミンに対応する神経受容体が結合した刺激によって

誘発されると考えられています。

オキサトミドはヒスタミン受容体の働きを抑制してアレルギー反応を抑える

ヒスタミンブロッカー(ヒスタミンH1拮抗薬)です。

抗アレルギー薬としては第二世代に分類され、アレルギー性鼻炎、

じんましん、皮膚のかゆみ、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などの症状を抑えます。

アレルギーの根本治療には別の取り組みが必要ですのでご注意ください。

副作用:ドパミン拮抗作用とそれによる様々な副作用が予想されます。

眠気、倦怠感、肝臓の障害(だるさ、食欲不振、吐き気、発熱、

発疹、かゆみ、黄疸、尿が茶褐色になる)、ショック症状(アナフィラキシー)、

重い皮膚・粘膜障害、血小板減少、

錐体外路症状(脳に作用するために起こる手足のつっぱり、

首が反り返る、ひきつけ、目の異常運動、ふるえ、けいれんなど)、

生理不順、乳汁分泌、男性における女性化乳房、くちの渇き、膀胱炎。

オキサトミド(セルテクト)と不妊症

人の身体はホルモン物質の分泌量を調整することで

各種機能をコントロールしています。

女性が妊娠するために不可欠な「排卵」も同様です。

オキサトミドはホルモン物質の分泌や、ホルモン物質を受け取る受容体の働きに

影響を与えます。

具体的には、副作用の項目で触れたドパミン拮抗作用が問題です。

ドパミンというホルモン物質はプロラクチンという

ホルモン物質の分泌量を抑える役割を担っています。

ところが、オキサトミドの副作用でドパミンの分泌量が減ると、

十分にその機能が発揮されず、プロラクチン分泌量が上昇して、

身体が「妊娠中である」と誤認識してしまうのです。

その結果新たな排卵が起こらなくなり、不妊症ということになります。

こうした薬剤性高プロラクチン血症は問題の薬剤の服用を中止すると

収束するのが特徴です。

私の知る神戸ARTレディスクリニックでは様々なタイプの不妊症治療を実施していて、

ホームページでも多くの情報を公開しています。

女性のための医学情報にご興味がある方は、医師会や医学会の

ホームページと併せてチェックしてみることをおすすめいたします。

アレルギー疾患と不妊症には因果関係がない

今のところ、アレルギー疾患と不妊症には因果関係がないとされています。

花粉症、アトピー、喘息、じんましんなど、

日常生活の品質をものすごく引き下げはしても、その体質そのものが

妊娠の障害になるわけではないようです。

いかに害のある薬剤を避けて治療するか、

妊娠を望む女性にとってはそこが肝心というわけです。

長々と続けてきた薬剤性高プロラクチン血症のシリーズも残りあと数回となりました。

もしよかったらお付き合いください!

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。