卵管の障害で妊娠しづらい、検査は?
不妊症かどうか調べる検査21・卵管鏡下卵管形成術(FT)
不妊症の原因は男女双方に同じだけの確率で
存在すると言われています。
ただし、今回ご紹介するのは女性を対象にした治療です。
これは卵管鏡検査に伴って実施されることが多い治療内容であり、
比較的成果が出やすいうえに、女性の身体への負担もそれほど大きくありません。
この治療が必要と思われる際には早めに受けておきたい治療です。
「卵管鏡下卵管形成術(FT)」についてご紹介します。
卵管鏡下卵管形成術(FT)とは
卵管鏡下卵管形成術(FT)とは、卵管鏡と呼ばれる内視鏡を膣、子宮口を経て
卵管まで挿入し、卵管内でバルーンを膨らませることで
卵管を広げる治療法のことです。
「FTカテーテルキット」という器具と卵管鏡(内視鏡)を組み合わせて行うために
「卵管強化卵管形成術(FT)」と呼ばれています。
内視鏡のカテーテルは極めて細い外径0.6mmですが、
カメラとバルーンを内蔵した多機能の医療機器となっています。
メスを使わず、また、開腹もせずに卵管内治療が可能です。
卵管鏡検査および卵管鏡下卵管形成術(FT)のみの実施であれば
外来で受けられます。
卵管鏡下卵管形成術(FT)が必要になる時
卵管鏡下卵管形成術(FT)が必要になるのは、
卵管に狭窄や閉塞が起きて排卵障害が起きている時です。
どのようにその状況を予測するかというと、事前の尿検査や血液検査で
卵巣機能が正常であることが確認されていて、
なおかつ不妊傾向が認められる場合に卵管性不妊が疑われます。
患者が治療を求める時、卵管の閉塞、狭窄への対応として卵管通水法、
通気法、卵管鏡下卵管形成術(FT)、腹腔鏡手術、体外受精などが
必要になります。
卵管鏡下卵管形成術(FT)の成果
卵巣機能が正常な方が卵管鏡下卵管形成術(FT)を行った場合、
施術から1年以内に30%もの方が妊娠に成功したとの記述があります。
卵管の炎症や腫脹が見られる方を別にして、卵管の単純な障害が
妊娠を阻んでいる方については卵管通気検査、卵管通水検査、卵管鏡検査、
卵管強化卵管形成術(FT)がかなり有効なのです。
これらで成果が得られない方については腹腔鏡下で行う検査や手術、
または体外受精の適用となります。
卵管内部って実はこうなってる!
卵管は子宮と卵巣をつなぐ卵子の通路です。
しかし、単なる筒状の道ではありません。
卵管内部を内視鏡で観察してみると、細かなヒダによって
とても複雑な構造になっていることが分かります。
この通路の広さには個人差があり、直径は1mmから1.5mm程度です。
また、総距離は10㎝程度で、子宮側が最も細く、卵巣に向かって
広がった構造になっています。卵管はとっても繊細です。
単純にちょっと詰まってしまっただけでも大きく損傷したり、
変形してしまったりします。
卵管性不妊の可能性を指摘されたら、専門医と相談して
慎重に治療方法を検討するようにしましょう。
参考サイト
参考書籍
「不妊治療体外受精のすすめ /成田収/南山堂」
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