不妊症?検査は受けるか?
「不妊症かも」と思った時どうする?女性の生き方と選択肢
自分が不妊症かもしれない。
そう思いつく時点で、本人はだいたい覚悟を決めつつあるものです。
個人的な見解ですから誰もがそうとは限りません。少なくとも私はそうでした。
何かしら原因があって気付くわけですから、不妊症を疑うに足りるだけの要素が積み重なって無視できなくなったのだと考えています。
不妊症の女性の中には、不妊治療で成果が見られず、あきらめたのちに自然妊娠したというケースもあります。ただし、あくまでレアケースです。
稀な例だからこそ話題に上り、注目されたから繰り返しメディアに取り上げられる。繰り返し話題に上る中で「そういう可能性もあるんだ」と認識されるようになり、「不妊症でも自然妊娠できるんだ」という楽観的な姿勢を蔓延させる事態が起こっている。そのように指摘する声が上がっています。
不妊症を自覚した時の行動で、その後の人生が大きく変わってくるでしょう。
病気などの器質的な不妊要因があるならば、治療しなければ妊娠の見込みは極めて低いということを理解すべきです。
不妊症の検査を受けるカップルの割合は少ない
不妊治療の実績をまとめている団体によると、2010年の生殖補助医療は242.161周期の治療が行われたそうです。そのなかで無事出産に至ったのは11.4%にあたる27.682例。
1人の女性が体外受精を受けられるのは1年間で4回から5回が限度なので、治療の周期実績では「何人が治療を受けたか」までは分かりませんね。27.682人の女性が無事出産に至ったと、それだけが確かな情報です。
これに対して2010年度の婚姻数は706.000組で、不妊症を抱えるカップルの割合が10組に1組、あるいは5組に1組程度とされていることから、多ければ2010年の1年間で141.2000組の不妊症患者が誕生している計算になります。しかし、生殖補助医療の実施総数を4で割ると約80.540件、5で割れば約48.432例となって、不妊症カップルのうち3分の1程度しか生殖補助医療に進んでいない現状が推測されます。
検査だけ受けて治療までは進まないカップルも多いでしょうから、不妊症の検査を受ける男女がどれくらいいるのか想像する手がかり程度の数字でしかない点に、ご注意いただきたいと思います。
不妊症を疑った時の行動で人生の方向性はある程度決まる
妊娠しにくい体質の男女が子どもを望むのであれば、せめて検査だけでも受けておくようにしたいところです。なるべく早くに。
不妊治療に抵抗があるのであれば、必ず不妊治療に進まなければならないというわけではありません。「妊娠しやすい身体づくり」はイコール「健康寿命を延ばす取り組み」なのです。夫婦で検査だけでも受けて問題点を整理し、生活習慣や栄養バランスを見直しましょう。
不妊症を疑った時に、私の目の前には無数の道が分岐していました。
子どもがいる人生、いない人生。
夫婦で話し合って検査を受ける、受けない。
話し合わない。
治療を受ける、受けない。
生活改善に取り組む、取り組まない。
離婚する、しない。
分岐点の先にはさらに細かな分岐点が続いていて、選択を誤れば間違いなくいつか後悔することになります。
どの道に進むにしても「健康づくりの努力」だけは私たちを裏切りません。健康であるだけでその時の選択肢の幅が広がりますから、いま悩んでいらっしゃる女性(男性)には、とにかく健康的な食生活と適度な運動、前向きな精神活動をおすすめしたいと思います。
不妊クリニックでの初診検査
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