女性ホルモンバランスと排卵のメカニズム

よく、男性の身体と女性の身体は別物だといいますよね。

私もそれは正しいと思います。

なぜなら、男性の身体は1年を通してホルモン物質の

分泌バランスが安定していて、加齢による減少などはあったとしても

変動率は女性に比べてごくごく小さなものだからです。

それに比べて、女性の身体は毎月、月経周期に沿ってがらりと

ホルモンマップが様変わりします。

……この、ホルモンマップというのは私が勝手に作った言葉です。あしからず。

ホルモン物質をひとつひとつ理解するには

「どこから分泌され」「どこにどのように働くか」

「いつどれだけ分泌されるか」と、「他のホルモン物質との相互関係」を

マップにするのが手っ取り早いと考えたので。

排卵に向かうホルモン物質の働き

排卵のメカニズムをややこしくしているのは「月経周期」なんですよね。

脳下垂体ホルモン(ゴナドトロピン)が卵胞に働きかけて

卵胞の成熟、排卵をうながします。

卵胞が育ち切って卵子として排卵されれば

FSHもLHも役目は終わり。分泌量は減少して落ち着きます。

ではどうして脳下垂体ホルモンの分泌量が調節されているかというと、

卵巣から視床下部へのフィードバックがあって、

卵胞の発達段階を視床下部が判断して

脳下垂体にホルモン分泌の指令を出しているのです。

卵巣や卵胞、黄体から出るホルモン物質には子宮に働きかける作用があるので、

これらの流れがただしいタイミングで起こっていれば、

排卵と月経はぴったりと一致した周期で重なることになります。

もしエストロゲンもプロゲステロンも出なくなったら?

病気などではなく、いずれすべての女性にエストロゲンもプロゲステロンも

分泌されなくなる時がきます。加齢のためです。

その時どうなるかというと、卵巣からのフィードバックを

得られなくなった視床下部が暴走しだします。

GnRHをどんどん増産して脳下垂体をせっつき、

卵巣への働きかけを強めていきます。

しかし、卵巣はすでに卵胞を使い果たして機能を停止しているわけで、

一向に応答しない。……性腺刺激ホルモンが過剰な状態になりますよね。

これが更年期障害の諸症状を引き起こす原因です。

排卵のメカニズムは非常に複雑。

いったん壊れたら修復は難しい加齢のような自然な要素以外でも

排卵のメカニズムが壊れるケースがあります。

過激なダイエット、病気治療の副作用、肥満、何らかの病気、性感染症。

数え上げればきりがありません。

ただひとつ共通するのは、排卵の仕組みがいったん崩れたら、

少なくとも何もせず、自然に回復する希望は乏しいということ。

月経周期の乱れがある女性。

排卵が見られない女性。

月経はあっても基礎体温の周期が整っていない女性。

そういった方々は、早めに病院を受診することをおすすめします。

できれば10代、20代の、若いうちにご自分の身体をしっかり

見つめなおすようにしてください。

私のように後悔する女性が増えないことを心から願っています。

排卵障害の治療

https://www.ivf.co.jp/?page_id=99

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。