子宮や卵管を満たす「粘液」の役割

「粘液」の役割

前回は不妊症を調べる検査のひとつ

「フーナーテスト(ヒューナーテスト)」についてご紹介しましたね。

https://cure.localinfo.jp/posts/5487063

今回はフーナーテストに関連して、

子宮頸管粘液の役割について掘り下げてみたいと思います。

余談ですが、そもそも私たちは自分の身体についてあまりにも無知です。

日本は性教育後進国と呼ばれる国ですから、

ただ社会の敷いたレールに乗っているだけでは

身を守るのに十分な知識は得られません。

「子どもを産むこと」、「子どもを産まないこと」、

そして、「子どもを産める身体を維持すること」は女性の権利です。

その権利を行使するのに努力が必要という現状こそが

日本社会の矛盾をよく表しているように感じます。

子宮頸管粘液にはさまざまな役割がある

まず問題です。子宮頸管粘液とは何なのでしょうか?

フーナーテスト(ヒューナーテスト)では注射器で吸引できるわけですから、

液状であると推測できます。

ただし、月経が終わってから次の排卵が起こる直前までは、

子宮頸管粘液は子宮口をふさいで固まっています。

子宮頸管粘液は排卵周期に沿って変化するのです。

子宮頸管粘液は子宮頸部の粘膜細胞から分泌される分泌物で、

この細胞は卵胞から放出されるエストロゲンという女性ホルモンに反応します。

卵胞が成熟するにしたがって分泌量が増え、

さらさらとした状態になっていきます。

排卵期には子宮口が緩んで精子が侵入しやすくなることは

みなさんご存知ですよね。

雑菌も入り込みやすくなってしまうので、

粘液で押し流してしまおうという防御反応なのだと考えられています。

また、粘度の下がった子宮頸管粘液は精子が卵子に向かって泳ぐのを助け、

受精を助ける意味もあります。

目で見える子宮頸管粘液の「サイン」

子宮は身体の内側にありますから、女性が自ら子宮や子宮頸管粘液を目視するのは困難です。ただし、実は私たち女性は子宮頸管粘液を日常的に目にしています。

子宮頸管粘液は排卵直前になるとさらさらと流れ始めます。

流れ出る先は膣。そして体外です。

下着に透明な粘液が付着しているのを見た経験、ありませんか?

いわゆる「オリモノ」です。それこそ子宮頸管粘液の末路なのです。

月経周期に沿って「オリモノ」の色やにおいが変わっていくのを観察してみてください。

本来のオリモノはほとんどにおわず、色味も透明に近いものです。

排卵前でもないのに大量に出たり、乳白色だったり、

カッテージチーズのようにぽろぽろした状態だったり、

悪臭を放つようならすぐにレディースクリニックを受診してください。

子宮に異常が起こっているサインです。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。