不妊か調べる、子宮頚管粘液
不妊症かどうかを調べる検査3・子宮頸管粘液の量の検査
不妊症かどうかを調べる検査のうち、最初に行われるものの一つが
フーナーテストです。
フーナーテストでは、排卵直前に性交を持ち、
子宮頸管内部の粘液中にどれくらい精子がいるか、きちんと活動しているかを見ます。
これに関連して、子宮頚管粘液の量を調べる検査を行うことがあります。
フーナーテストの結果が不良であれば原因を探らなければなりません。
子宮に精子が入り込んでいくためには十分な量の粘液が
子宮頚管を満たしている必要がありますから、
排卵期にどのくらいの粘液が分泌されているか分れば
何が悪いのか絞り込めるわけです。
排卵期の子宮頚管粘液は0.3mlあるのが通常だそうです。
それ以下の場合は、なぜ粘液が十分に分泌されないのか特定し、
アプローチする流れになるでしょう。
子宮頚管粘液の採取
子宮頚管粘液の量の検査は排卵期に行われます。
排卵期に入ったことを基礎体温表や尿中のホルモン値で確認し、
スポイトのような器具で子宮頚管の粘液を吸い取って量を計るのです。
そのため、この検査を実施するまでには排卵周期を
把握している必要があるのですが、基礎体温から排卵期を
読み取れない女性も心配はありません。
近年では排卵に際して性腺刺激ホルモンの一種、
LHの分泌量が急激に上昇する「LHサージ」を手掛かりとして
排卵日を予測する検査が可能です。
検査キットを入手しておけば自宅でも調べられますから、
基礎体温の計測と併せて体のサイクルを理解しておくことをおすすめします。
子宮頚管粘液はなぜ排卵期に増える?
子宮頚管粘液はなぜ排卵期にたくさん分泌されるのか?
また、どうしてそれ以外の時期は少ないのか?
そこには女性の体と妊娠の仕組みがかかわっています。
女性器は膣、子宮、卵管、卵巣と奥に続いています。
子宮は膣の奥に、卵巣はさらにその奥にと位置することで、
雑菌の侵入などから守っているのです。
普段は少量の粘液で子宮の入り口を固く閉ざし、
排卵期にだけ粘液の量を増やして精子が入り込みやすくするのも、
なるべく外部と接触しないため。子宮と卵巣を守るためです。
もし子宮から卵巣への道が無防備に開かれていたら、
悪いものがどんどん腹腔内に入って行ってしまいます。
そうなればダメージは性器だけではなく命にも及ぶ恐れがあります。
子宮頚管粘液の性質や量を変えているのは女性ホルモンの働きです。
視床下部から脳下垂体へ、脳下垂体から卵巣へとスムーズに指示が
つながって初めて正しいパフォーマンスが成立します。
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