不妊症かどうかを調べる検査5・羊歯状結晶

不妊症かどうかを調べる検査のひとつに、

羊歯状結晶形成検査というものがあります。

子宮頚管粘液の量、牽糸性、ph、抗体、炎症反応の検査と合わせて行うことで、

ホルモン異常や子宮頸管炎などの問題が起きていないかを調べられるのです。

これらの検査結果をもとに、次に必要な検査を判定します。

羊歯状結晶の検査について詳しく見てみましょう。

羊歯状結晶の検査について

羊歯状結晶の検査について、神戸ARTレディスクリニックによると

このように説明されています。

排卵直前の頚管粘液をガラスの板の上に載せて乾かし、

顕微鏡で見ると植物の「しだ」の葉のような結晶がみえます。

これが観察できないときは卵胞ホルモンが十分働いていません。

「羊歯状結晶の程度」によって、十分な卵胞ホルモンが

分泌されているかどうかがわかるというわけです。

この検査をどうやって行うかというと、排卵予測日の3~4日前に

子宮頚管粘液を全量採取し、量と牽糸性、羊歯状結晶の程度を調べます。

子宮頸管粘液をガラスの板に乗せて乾かし、肉眼や顕微鏡下の目視で

どれくらいシダ状の形が作られているかを判定すします。

羊歯状結晶(シダ状結晶)の評価基準

羊歯状結晶(シダ状結晶)形成検査の基準となる結晶の形状は

おおむね4段階に分類できます。

まず、シダ状結晶がまったく見られない状態。これは明らかに異常です。

次に、結晶は見られるものの非定型の状態。これもあまり良好なサインとは言えません。

次に、第一と第二の茎があるシダ状の結晶。これはまあまあな状態です。

最後が、第三と第四の茎まであるシダ状の結晶。これが一番いい状態の羊歯状結晶です。

羊歯状結晶検査の結果が不良……卵胞ホルモン(エストロゲン)不足

卵胞ホルモン(エストロゲン)が不足だったり、

十分に機能していないときに羊歯状結晶形成検査の結果は不良になります。

ではということで、どうしてエストロゲン不足になるのか調べてみたのですが、

インターネット検索では更年期くらいしかひっかかりませんでした。

なので、ここからは素人考えなので間違っているかもしれません。

どうなんだろうと思った方は婦人科・産婦人科の医師に直接問い合わせてみてください。

まず、卵胞ホルモンが不足する状態を想像してみました。

視床下部からLHとRH(両方合わせてGnTHとも)というホルモンが分泌され、

脳下垂体にFSHとLHというホルモンの分泌を指示します。

脳下垂体から分泌されたFSHとLHは卵巣に働きかけます。

FSHが卵胞を育てる役割を担うホルモンです。

そして、脳下垂体は卵胞から出るエストロゲンから排卵に適したタイミングを読み取り、

排卵前に大量にLHを分泌します。

LHが卵胞に働きかけて排卵を引き起こした後、

卵巣の中の卵胞があった部分が黄体化してプロゲステロンとエストロゲンを

一緒に分泌するようになり、子宮内膜をふかふかにするのです。

排卵前のタイミングでエストロゲンが欠乏しているということは、

卵胞が成長していないということです。

確かに、考えられる第一の原因は更年期でしょう。

しかし、不妊症かどうかを調べる方々はまだまだ更年期には間がある年代のはず。

そうした女性たちにエストロゲン不足が起こるとしたら……

・視床下部や脳下垂体の腫瘍

・甲状腺の病気

・自律神経失調症

・高プロラクチン血症

・若年性更年期障害

・卵巣不全

などなどが原因の可能性が高いと思われます。

視床下部や脳下垂体に腫瘍ができるとホルモン分泌に障害が起こり、

排卵の仕組みも正しく働かなくなります。

甲状腺の病気、自律神経失調症など、これらが原因でエストロゲンが欠乏している場合、

不妊治療は原因疾患が治らない限り前に進みません。

ちなみに、20代30代でも閉経してしまう女性がいます。

「自分はまだ若いから大丈夫」という思い込みは危険です。

さて、今回もつれづれに長くなってしまいました。

最後まで読んでくださった方へ。

ありがとうございます。

あなたのもとに幸運が訪れますように。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。