気になった話題・異常と診断された胚を移植する価値はあるのか②

現在、着床前診断を推奨するクリニックは増えているように感じます。

大切なのはどの施設で、どんな方法で検査を行うか、

どれくらい高い精度で診断できるのかです。

精度の低い検査では正常な胚を異常と誤診する可能性が高くなります。

信頼性の低い検査であれば、着床前診断によって妊娠の機会が損なわれる恐れがあります。

この場合に限っては、異常と診断された胚でも移植する価値はあると

言えるのかもしれません。

胚の評価が正しいとは限らない、その可能性に賭けるという意義が価値になるからです。

こうなると、そもそも着床前診断を行うべきかどうかさえ疑問になりますよね。

精度の低い着床前診断は実施する価値がない、ということになります。

では新しい検査方法ではどうかというと、

着床前スクリーニングの精度は97％まで上がっていて

染色体正常と異常を誤診する確率がかなり低いそうで、

「異常」と診断されればそれは97％の確率で異常となります。

ほぼ確実に染色体異常の胚をふるい分けられるのであれば、

着床前診断は受けるべきですし、異常と診断された胚は移植する価値がない

ということになります。

要するに、検査結果を信頼できるかどうかというお話でした。

不妊治療の成功率を上げるために着床前診断を利用するなら、

確かなクリニックを選ぶことが大切ですね。

着床前診断の検査方法、次世代シークエンサーへ

神戸ARTレディスクリニックの記事に立ち返って検査方法についての記述を探すと、

「次世代シークエンサー（NGS）」「リアルタイムPCR」「アレイCGH」

の名が挙がっています。

着床前診断の目的は遺伝性疾患の予防と染色体異常の有無を

確認して流産などを防ぐことの2つです。

次世代シークエンサー（NGS）の登場によって胚の

「染色体異常」と「モザイク」を見分けられるようになったそうです。

これらの検査方法と、胚の評価、正常胚、モザイク、染色体異常について見ていきましょう。

「次世代シークエンサー（NGS）」

次世代シークエンサーは受精卵から採取したDNAを特殊な方法で増やし、

常染色体22種類と性染色体2種類、合わせて24種類すべての染色体を調べる検査です。

染色体の数の異常、染色体の構造異常も調べられます。

検査内容は次世代シークエンサー（NGS）もアレイCGHも同様であるものの、

NGSではアレイCGHより検査の精度が高く、

正常胚とモザイク胚の鑑別も可能なので、これから着床前診断を受ける方は

NGSを選ぶことをおすすめします。

「リアルタイムPCR」

PCR法は受精卵から採取した微量のDNAを何倍にも増やしてから特殊な処理を行い、

遺伝子のパターンをさまざまな方法で判定する方法です。

DNAの塩基配列の解読も可能で、主に遺伝性疾患を診断する目的で行われます。

「アレイCGH」

次世代シークエンサー（NGS）と同じく、受精卵から採取したDNAを

何万倍にも増やしてから解析し、染色体異常の有無を調べる検査です。

アレイCGHはNGSより古い検査方法で、登場した時点では

新型着床前診断として注目を集めたものの、正常胚とモザイク胚の鑑別ができず、

診断精度が高くないという問題を抱えていました。

神戸ARTレディスクリニックの「異常と診断された胚を移植する価値はあるのか」

という記事に、次世代シークエンサー（NGS）の登場で

モザイク胚と正常胚、染色体異常胚の鑑別が可能になったという記述があります。

今後、着床前診断ではアレイCGH法は行われなくなっていくでしょう。

今回の話題で気になった単語の数々

私は医学用語などの知識があまりにも不足していて、

おそらく不妊治療を受けていらっしゃる女性の皆様なら

知っていて当然の語彙すら把握できていません。

無知をさらすようでお恥ずかしいですが、今回初めて知った言葉、気

になった言葉を、今後調べていくためにここにメモしておこうと思います。

私と同じように「それ知らない！」という方がいらっしゃったら、お仲間ですね。

少しずつ記事にしていくので、よろしかったらお付き合いいただけると嬉しいです。

単語メモ

・遺伝子（染色体、DNA、遺伝子…それぞれどういう関係なの？）

・受精卵（受精卵、胚、胚盤胞…受精卵の状態によって呼び名が変わる）

・染色体異常、モザイク、正常胚、トリソミー、不均衡型の転座

私の流産も「仕方のないこと」「育つことができなかった卵だから」

「年齢とともにそういうことは増えていくから」と言われました。

染色体異常の卵子の割合が年齢とともに増えていくからなんですよね。

では、染色体異常ってどういうことなんでしょうか？

流産したからといって私が自分を責める必要はない、

というか、もし本当に妊娠したいのであれば、むしろ責めるべきではなくて、

前向きに生活するべきだということはだんだん納得できたように思います。

今考えたいのは「そこからどうするか」です。

が、とりあえずは……気になった単語についてリサーチしつつ進めていくことにします。