女性の年齢と卵子の関係

染色体異常の割合はどれくらい増える?

生まれる前からすでに卵子の数は決まっているそうですね。

卵子は月経のたびに複数成熟し、消えていきます。

つまり、成長とともに成熟し、どんどん減っていくわけです。

また、卵子のもととなる細胞は生まれながらに備わっているため、

重ねた年齢の分だけ卵子も老化し、劣化します。

それが、歳をとるほど染色体異常の割合が増える理由です。

それでは、染色体異常を持つ卵子の割合は年齢とどう対応するのでしょうか?

女性の年齢と染色体異常を持つ卵子、ダウン症小児出生数の関係

日本における2009年の小児出生数と、母の年齢階級別に区分した

ダウン症群小児を抽出したデータがあります。

母親の年齢が上がれば上がるほど卵子の質が下がるのであれば、

ダウン症群小児が生まれる確率も高くなるはず。

そのリスクが現実にどう反映されているのか、

2009年当時の母年齢階級別の小児出生数と、ダウン症児の出生数で見ていきましょう。

■母年齢階級:出生数:ダウン症群小児出生数

・~20歳:14,687:1,667

・20~24歳:116,808:1,587

・25~29歳:307,765:1,087

・30~34歳:389,793:763

・35~39歳:209,706:248

・40~44歳:30,566:79

・45~49歳:684:24

・50~歳:20

出生数に対するダウン症群小児の出生数を単純に計算すると、

20歳以下の母からダウン症群小児が生まれた割合は11.35%、

それ以降の年齢階級順に列挙すると、

1.35%、0.35%、0.195%、0.11%、0.25%、3.5%となります。

出生数での実績に限れば、20歳以下の母からダウン症群小児が生まれる確率が最大、

35~39歳の母からダウン症群小児が生まれる確率が最小となりますよね。

この数字で見ると染色体異常の卵子の割合は年齢にそれほど影響していないのでは?

と思えてきそうです。

が、しかし、そもそもの出生数が20歳以下と45歳以上ではけた違いであり、

出生数をグラフにすれば31~34歳の出生数389,793をピークとした

山型から考えて年齢階級別の妊孕力は平等とは言えません。

さらに、妊娠、出産には社会生活が大いに影響するうえ、

着床前診断や出生前診断でダウン症のリスクをふるいに

かけられるようになった現在、出産に至った小児の人数だけでは

母親の年齢階級別リスクはどうやら読み取れないようです。

出産のリスクが高くなる年齢でも、きちんとした医療体制で

臨めば若い世代の女性と同じように、健やかな我が子を抱きしめられる

可能性が十分ある、と、前向きに考えられますね。

未来に目を向ける

数字だらけで見づらい文面になってしまいましたが、

価値あるデータだと思うのでまとめてみました。

年齢階級別の出生数とダウン症群小児の出生数、

そこから算出したダウン症群小児出生割合を今回はご紹介しましたが、

これとは別に、1歳刻みで母親の年齢とダウン症群小児出生確率を算出した表もありました。こちらは理論値に近いようなのでどれほど信頼できるかは微妙なところです。

が、気になりますよね?

私の年齢になると、もう本当にリスクが高くて、

子どもを望むこと自体が無謀というか、大それた願いなのかなと憂鬱になります。

今更ですけれど、もし子どもに障害があれば夫にも、

自分にも、子ども本人にも、私のせいで余計な苦しみを与えることになるのだろう、と。

私が迷いを断ち切った理由の一つが「着床前診断」という検査技術です。

神戸ARTレディスクリニックでは、私のような状況で

子どもを望む人々のためにも着床前診断を推奨しているそうです。

命ある生き物にはあまねく寿命があります。

人は永遠には生き続けられません。健康な次世代の人々が持続可能な

社会を形成して平和に生きていってくれたらいいなと、

そしてその中に、私の命をつぎ込んだ存在がひとりでもいてくれたらいいなと思うんです。

個人的で小さな願いですけれども、今はそれが生きる活力になっています。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。