出産に一番適した年齢は?①

女性の年齢と卵子の関係、出産に一番適した年齢は?①

前回は女性の年齢と卵子の質の関係をデータでまとめました。

次のステップとして、出産に一番適した年齢と、

女性を取り巻く環境について考えてみたいと思います。

私自身を振り返って、はたして適齢期の環境が出産にふさわしかったのか?

少子化を問題視していながら、この社会がその本質的な原因に向き合っているのか?

不妊治療が本当にその対策にふさわしいのかといったことをテーマに据えます。

たぶんですけれど、1回では終わらないかもしれませんが、

お付き合いいただければ幸いです。

卵子の質から見る「出産適齢期」

女性の年齢が若いほど卵子は高品質です。

成熟するまえの卵細胞を原子卵細胞と呼ぶようですが、

生まれながらに備わっているために年齢の分だけ古くなります。

ダウン症児出生率から見ると、卵子の品質は10代、20代ですでに劣化し始めているのです。

15歳で出産する女性はごくわずかですよね。

しかし、それでも出生数1,960に1人の割合でダウン症児が生まれると言います。

前回まとめた年齢1歳刻みのダウン症児出生頻度で分かる通り、

卵子の品質は突然悪くなるわけではありません。

時間とともにゆっくり劣化していくのです。

では10代が出産に最も適した年代かというとそういうわけでもないようです。

10代のうちは子宮がまだ成熟していないので、

身体的にもリスクが高いというレポートがあります。

卵子の品質と子宮の成熟度から判断できる出産最適年齢は…

年々下がっていく卵子の品質、その低下速度と子宮の成熟度から判断して、

出産に最も適した年齢は25歳から29歳となります。

卵子の品質を伺い見ることができる別の資料に、周産期死亡率というものもあります。

これは、妊娠22週目以降の胎児および生後1か月以内の

新生児死亡率を抽出したデータです。母年齢25歳から29歳を底に、

19歳以下で上昇すること、30歳後半から急上昇していくことが分かっています。

母年齢25歳のダウン症児出生頻度は0.08で、29歳までに0.107に上昇します。

30代に入ると上昇速度が急激に加速するので、

適齢期としては29歳がギリギリのタイミングというわけです。

次回のテーマとして、「妊娠しやすい時期は社会的な足場を構築する時期と一致している」

ことに着目して進めていきます。

妊娠しやすさを「妊孕性」と神戸ARTレディスクリニックでは呼んでいるそうです。

妊孕性は年齢とともに失われていくものであり、

だからこそ、妊娠に支障がある時は迷っている暇はないのだ、

というのが医師の立場なんですね。

その通りだと思います。

もしも「あなた」が妊娠しにくい体質かもしれなくて、

それでも子どもが欲しいと願うならば、不妊治療は唯一の希望となるでしょう。

とはいえ不妊治療も万能ではなく、やはり若いほうが治療効果を期待しやすいのです。

不安や違和感がある方は、できるだけ早く医師に相談なさることをおすすめします。

30代からの不妊治療や検査のことブログでつづる

30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。