不妊かどうかの検査、抗精子抗体検査
不妊症かどうかを調べる検査12・抗精子抗体検査
不妊症かどうかを調べる検査シリーズ12、抗精子抗体検査についてご紹介します。
●抗精子抗体
抗精子抗体は女性の血液や子宮頚管粘液、卵管分泌液の中に検出されることがある
免疫物質です。抗原は精子であるため、通常の性交を行っても精子の活動が阻害され、
受精が難しくなります。
なお、男性自身に抗精子抗体反応が見られる場合もあります。
男性が抗精子抗体陽性の確立は5から6%だと言われています。
男性、女性、いずれの場合でも治療法はほとんど変わりません。
●抗精子抗体陽性の場合の不妊治療
以前はコンドームの使用などで抗原物質との接触を控えれば
抗体反応が薄れるのではと期待されていたそうですが、
臨床データを蓄積した結果、実のない治療だったと断定されました。
現在では副腎皮質ホルモン療法と、人工授精、体外受精、顕微授精が
妊娠のための有効な手段として評価されています。
なぜ男性にも抗精子抗体が作られるのか
女性について精子は異物ですから、抗体が反応しても仕方ないのかな、
という気もします。だけど、なぜ男性自身にまで抗精子抗体が
認められる場合があるのでしょうか?
神戸ARTレディスクリニックによると、これは一種の自己免疫疾患らしく、
免疫機能の暴発と考えられます。自己免疫が自分の身体まで攻撃してしまい、
このばあいは精子が攻撃を受けて弱り、運動率や受精率の低下が起こり、
なかなか妊娠が成立しないというわけです。
ちなみに、やはり神戸ARTレディスクリニックによると、
女性に抗精子抗体がある場合は体外受精でいいそうですが、
男性に抗精子抗体がある場合は顕微授精の適応になることが多いのだそうで、
どう考えても女性の抗精子抗体よりも男性の抗精子抗体のほうがある意味深刻です。
顕微授精で人の手で受精させなければならないほどですから、
やはり自然妊娠は望めないと覚悟するべきなのかな、と思います。
●抗精子抗体検査
抗精子抗体検査は簡単です。血液を採取して分析結果を待つだけです。
検査そのものは楽ですが、結果を待つ間はとても安穏とはしていられないでしょう。
もし可能であれば、この検査はご夫婦で一緒に受けられることをおすすめします。
というか、不妊治療に伴う検査や治療、通院は、できれば常に夫婦揃うことを推奨します。
仕事のスケジュールを考えればやはり難しくはあるのでしょうけれども。
健康なのに妊娠できない悲しい体質、抗精子抗体陽性の話題は、
その昔一世を風靡したセックスアンドシティーというアメリカのドラマでも
取り上げられていました。
メインキャラのひとりである女性のエピソードです。
結婚してなかなか子どもができないから検査を受けたら陽性だった、という流れでした。
作中で彼女は不妊治療離婚に至り、とっても苦しんでいる様子が描かれていました。
傷心の果てに残ったのは慰謝料と結婚指輪。
その結婚指輪も、作品のメインテーマである友情に捧げられました。
だけど、治療を受ければ可能性はあります。
治療を受けなくたって可能性はゼロじゃありません。
結婚して健康なのになかなか子どもができないカップルは、
お互いに相手を尊重し、協力できるのであれば、抗精子抗体検査を受けてみると
いいかもしれませんね。
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