他人の精子で妊娠すること。成功率
気になったニュース:他人の精子で妊娠すること。成功率
すこし古い、去年のニュースで気になる話題を見つけました。
「他人の精子で人工授精、成功率は5%」
他人の精子を使う人工授精は「AID」と言います。
れっきとした不妊治療のひとつで、アメリカでは1920年代に
もう精子バンクが作られていたそうです。日本での臨床導入は1949年で、
それ以降1万5千人以上の子どもがAIDによって生を受けたと言われています。
とはいえ、倫理的な問題もあって実数は不明、
誰が誰の精子を利用して子どもを産んだかも不明で、
なんと当人すら知らされていないケースが多いのだとか。
これって問題なのではないでしょうか。
AIDでは父親と子どもに遺伝的な親子関係はない
AIDで生まれた子どもには、当然ですが父親の遺伝子は受け継がれていません。
父親からすれば完全に他人です。血縁的には他人の子どもを、
父親が愛せるのだろうかという疑問がひとつ。
そして、AIDを行った場合にはその事実を子どもへの告知が推奨されているのに、
ほとんどの親が何も言わずに育てているという実態。
気持ちは分かります。親でありたいと言う気持ちが強いほど
そういう行動になるだろうなと、理解できます。
だけど、万が一にも知られてしまったらどうするのか、
と理性がささやくのです。もちろん、「両親」だってそんなことは
たくさん考えますよね。それでもそういう風に行動せずにいられないという、
それ自体がもう言葉になりません。
あなただったらどうする?子どもに話す?話さない?
あなただったらどうしますか?
子どもに話しますか?話しませんか?
私だったら、私が子どもの側だったら、先に親の口からきいておきたいと思います。
でも、母親だったら微妙です。
父親の立場だったとしたら、絶対自分からは話せないだろうと思います。
母親は間違いなく自分が産んだ子どもだと分かっているわけですから、
まだましなんですよね。でも、真実が発露した時、悩むのは子どもと夫ですよ。
不妊治療を受けるのであれば、そうした将来起こり得るすべてを包み込む
度量が必要になる、ということかもしれません。
国と医学会で分かれる見解
国としては、他人の精子で生まれた子の親は精子提供者だという見解のようです。
ところが、日本産婦人科学会は無精子症の男性を夫とする夫婦の不妊治療に限り、
AIDができるとしているのです。
夫が無精子症で、それが精管閉鎖症などではなく原発性であるのであれば、
確かにAIDしかありませんよね。
でも、報道にある数字から分かる通り、他人の精子を使った
人工授精の成功率はわずか5%に留まります。
それでもこの治療を受けることを希望するなら、それもまた一つの選択というものです。
社会が受け入れるかどうかはまた別の話ですけども。
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