出生前診断とは、出生前診断のリスクとは
出生前診断のリスクとは
出生前診断ってご存知ですか?
出産前の胎児に行う検査の総称です。近年、出生前診断によって
胎児がダウン症かもしれないと知り、出産を取りやめたという
報道が世を騒がせたりしました。
「それこそ命の選別なのではないか」と声高に攻める人まで出ましたからね。
印象に残っている方もおおいのではないでしょうか。
出生前診断について簡単にまとめておきます。
●出生前診断の種類
1・非確定的検査(侵襲性のない安全な検査)
母体への侵襲性は低いものの、赤ちゃんが健康かどうか、
遺伝子疾患があるかどうかの確信には至らないタイプです。
:超音波検査、母体血清マーカー検査、新型出生前診断(NIPT)など
2・確定検査(侵襲的検査)
赤ちゃんの遺伝子疾患などを確実に診断できますが、
流産リスクが高いなどの問題があります。
:羊水検査、絨毛検査など
※ NIPTは正式には「母体血胎児染色体検査」と言います。
母体の血液中に含まれる胎児のDNAを検出し、これを調べる検査となります。
胎児に対しては非侵襲的です。
ただし、出産予定日の年齢が満35歳以下などの条件があり、
受けたくても受けられないケースがあります。私は完全にアウト!です。
出生前診断が危険と言われる最大の要因が2の確定的検査の検査方法です。
羊水検査、絨毛検査という名前だけでも想像がつきますよね。
羊水は赤ちゃんのゆりかご、子宮の中を満たしている液体です。
腹部に針を刺して子宮内まで貫通させ、羊水を採取して胎児の染色体やDNAを調べます。
絨毛検査に至っては、針を胎児に刺すのです。流産の危険は跳ね上がります。
着床前診断のススメ
着床前診断は、文字通り着床前に受精卵を調べる検査で、
母体に対する危険も、流産の危険もありません。
むしろ、着床前に受精卵の性質を診断できるので、きちんと妊娠、出産できる
胚を選んで命をはぐくめるわけですから、流産率、死産率の低下に寄与する
検査と言えるでしょう。
日本産科産婦人科学会が承認した医療施設で実施した着床前診断では
平成20年12月までに44人中3人しか出産しなかったとの報道があったそうですが、
神戸ARTレディスクリニック(当時は大谷レディスクリニック)の
同時期の成績によると、63人に着床前診断を実施して33人が
出産に至ったと言うから驚きです。
ちなみにですが、神戸ARTレディスクリニックによると、着床前診断(受精卵診断)は
顕微授精より長い歴史を持っているそうです。
とはいえ、実施しているクリニックごとに技術力の差が大きいようなので、
不妊治療とこの検査を受けようと考えている女性は、クリニックの治療成績や
検査技術の精度、実施件数などを調べてかかりつけのクリニックを
選ぶことをおすすめします。
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