卵巣系ホルモンと負荷テスト

不妊症かどうか調べる検査11・卵巣系ホルモンと負荷テスト

不妊治療の方針を決めるためのホルモン検査は、

患者側からしてみれば採血を受けるだけなので、通常の血液検査と感覚としては

なんら変わりません。

ただし、卵巣系ホルモンが正しく機能しているかどうかを

きちんと確認するには、月経周期の中でしかるべきタイミングを

押さえる必要があります。

例えばです。

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の指令を受けて

下垂体から放出される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)には

「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体化ホルモン(LH)」があるのですが、

これらの通常値を測定したうえでGnRHを投与し、

下垂体および卵巣の応答を確認する負荷テストは月経の最中に行う検査です。

だいたい、月経がはじまってから3日目あたりを目安にするといいでしょう。

また、卵巣で成熟を待つ卵胞が分泌する女性ホルモンの一種、

「卵胞ホルモン(エストロゲン=E2)」を測定するタイミングも同時期です。

成熟した卵子が卵巣から飛び出した後で放出され始める黄体ホルモンについては、

基礎体温が高温相の5日目から7日目ごろに検査します。

このように、基礎体温表などから読み取れる月経周期が

スケジューリングのベースとなるところが、不妊治療のためのホルモン検査の

大きな特徴というわけです。

検査結果から分かること・ロングフィードバックとショートフィードバック

下垂体と視床下部はショートフィードバックの関係にあり、

卵巣と下垂体、視床下部はロングフィードバックの関係にあります。

密接に結び付いた視床下部と下垂体は、それぞれの放出するホルモン物質に対して

敏感に応答するのです。それをショートフィードバックと言います。

位置的に離れた卵巣と下垂体、視床下部もまた連動しますが、

こちらは距離があるためロングフィードバックの間柄になります。

神戸ARTレディスクリニックによると、

FSHとLHの測定結果からは下垂体の異常や、卵巣の異常を読み取れるそうです。

卵巣の異常として多いのは「多嚢胞症候群」などの疾患とのこと。

GnRH負荷試験でLHが高値を示した場合も、

FSHが正常値であれば多嚢胞卵巣が疑われると言います。

また、LHもFSHも応答が悪ければ下垂体異常や視床下部の異常を疑い、

超音波検査などで原因究明を測ります。

LHもFSHも異常高値であれば卵巣の異常を疑います。

ただし、40代後半からは更年期が始まっている方もいらっしゃるので、

更年期症状との鑑別が優先です。

「年齢」は不妊症の大きな要因です。更年期症状によってホルモン検査の結果が

異常値を示した場合は、不妊治療自体を断念せざるを得ません。

もし強行したとしても良い結果にはつながらないでしょう。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。