不妊かどうか、プロラクチン血症
不妊症かどうか調べる検査12・プロラクチン
私の知る神戸ARTレディスクリニックを始め、
ほとんどの不妊治療クリニックで受けられる基本的な検査を網羅すべく、
しばらくは集中的にこういった内容のレポートを書いていこうと思います。
今回は前回からの流れを汲んで、乳汁分泌ホルモン「プロラクチン」の検査について
ご紹介します。
●プロラクチン
プロラクチンは女性特有のホルモンの一種で、脳下垂体から分泌されます。
妊娠中やお産の後に分泌量が急上昇し、乳汁の分泌を促すのです。
ただし、プロラクチンは乳腺にだけ作用するわけではなく、
卵巣に働きかけて月経異常を引き起こしたりすることがあります。
プロラクチンの分泌量は視床下部から分泌されるドーパミンによって
調整されているそうです。ドーパミンは抑制的に働くとのこと。
つまり、プロラクチンをどっと出したい時にはドーパミンの分泌量が減るわけです。
●プロラクチンの測定
プロラクチンの分泌量は1日のうちに高値、低値となる変動があるため、
測定のタイミングも重要になります。夜間に高値、日中に低値を示します。
プロラクチン測定のための採血のタイミングは起床後2~3時間ごろ。空腹状態が必須。
「不妊治療体外受精のすすめ・成田収」によると
プロラクチン値の正常上限は測定系によって異なるとあります。
そのためなのか、クリニックサイトではプロラクチンの正常値については
あまり明言されていない傾向でした。それでも一応参考は欲しいな、
と思ってて見つけたのが医療従事者向け情報サイトです。
閲覧には登録が必要らしいので、興味がある方はよかったらチェックしてみてください。
プロラクチン正常値(IRMAによる基準値)
男性1.5~9.7ng/m/
女性1.4~14.6ng/m/
プロラクチン正常値(CLIAによる基準値)
男性3.6~12.8ng/m/
女性6.1~30.6ng/m/
ここまで参考は、
●プロラクチン血症
プロラクチンが異常高値を示す症状のことです。
プロラクチンの分泌が亢進状態だと、排卵障害、乳汁漏出、無月経などになり、
不妊症の原因になることが分かっています。
妊娠、産褥期は通常高値で、それ以外の時に高値を取ると異常、とのこと。
脳下垂体の腫瘍(プロラクチノーマ)、向精神薬の副作用、
経口避妊薬(OC)の副作用、胃腸薬の副作用、腎不全、
原発性甲状腺機能低下症などの恐れがあり、治療もしくは薬剤の服用を中止する
必要があります。
男性にもプロラクチン血症があるらしいんですが、
男性の場合は男性性機能異常が現れるそうです。男性不妊の原因ですね。
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