シーハン症候群

シーハン症候群～プロラクチン産生下垂体線種

検査レポートの隙間から零れ落ちた「シーハン症候群」

「プロラクチン産生下垂体線種」「潜在性高プロラクチン血症」について

順次調べていきます。

今回はシーハン症候群について。

余裕があればプロラクチン生産下垂体線種についても盛り込みます。……無理かな？

●シーハン症候群とは

分娩時には子宮や脳に多大な負荷がかかります。

子宮出血によりDIC(播種性血管内凝固症候群)を生じ、

血栓が下垂体前葉で梗塞を生じさせたことに起因する疾患。

初発症状は低血糖症状であることが多い。

（参考：https://www.medica.co.jp/d/education/keyword/detail/1256?pageCnt=0）

シーハン症候群は「分娩後下垂体機能低下症」とも言います。

分娩後下垂体機能低下症のほうが分かりやすいのでは……。

シーハン症候群の恐ろしいところは、出産後数年間を経て悪化していく

ケースが多いところです。発展途上国に多く見られ、先進国では

発症例が減っているとのこと。

出産経験者の女性で、出産時に大量の分娩後出血（PPH）があった方は要注意です。

長期間かけてゆっくり下垂体細胞が壊死していくパターンと、

急激に発症するパターンがあります。

（参考：https://www.natureasia.com/ja-jp/reviews/highlight/81978）

●シーハン症候群の診断

過去の大量の分娩後出血（PPH）の病歴と臨床所見を組み合わせて検証するとのこと。

CT検査やMRIなどの画像診断も確かに有用そうです。ホルモン検査も重要。

●シーハン症候群の治療

壊死した細胞は再生しない、どう治療するのかな、と思って調べて見たところ、

シーハン症候群は難病指定されておりました。指定難病78号、

「下垂体前葉機能低下症」で記載されています。

女性に起きても男性に起きても不妊症の原因になり得るとのこと。

FHS、LH欠乏状態が見られるようになった場合には不妊治療としはFSH充填療法や、

排卵誘発治療を行うそうです。

プロラクチン欠乏については補充療法は不適切で、

これといった治療法はまだ見つかっていません。

（参考：https://www.nanbyou.or.jp/entry/4018）

治療法がない、と言われると途方に暮れてしまいますよね。

つまるところ、シーハン症候群は壊死性疾患なので治療は難しいというか、

脳下垂体が壊死するって恐ろしい状態なわけで、そもそもそうならないように

分娩後出血（PPH）が見られたら管理すること、

シーハン症候群の根を断つことが大切なのかもしれません。

実際、日本を始め主要先進国ではシーハン症候群が見られるケースは

すごく減っているそうなので、撲滅できる日も遠くはない、かも。

ただ、発展途上国と主要先進国では医療事情が違います。

その差がいつになったら埋まるのか、というのが課題でしょうか。

思ったよりシーハン症候群が大変な病気だったので、

やっはりプロラクチン産生下垂体線種が入りませんでした。次回にレポートします。