プロラクチン産生下垂体線種

プロラクチン産生下垂体線種

プロラクチン産生下垂体線種について。

高プロラクチン血症を呈する原因のひとつ、鑑別を必要とする症状として

ピックアップされていた名前です。前回調べたシーハン症候群は

思いのほか大変な病気でしたから、もしかしてこちらも…?とソワソワしています。

●プロラクチン産生下垂体線種

私の知る神戸ARTレディスクリニックでは単に

「下垂体の腫瘍」との記述でした。昭和大学病院のサイトでは

「下垂体腫瘍」の分類のひとつで「プロラクチン産生下垂体線種(プロラクチノーマ)」

として紹介されています。より詳しいほうを参考にします。

下垂体は視床下部の下に垂れ下がる脳の一部ですが、

機能的には脳とはほとんど別物のように思います。

大脳は五体を動かしますが、下垂体はホルモンを分泌することで

様々な臓器の機能を操作するのです。

色々なホルモンを分泌しています。それらの中でプロラクチンの分泌が

異常亢進している場合を、「プロラクチン産生下垂体線種(プロラクチノーマ)」と

呼ぶようです。

●プロラクチン産生下垂体線種の治療

プロラクチン分泌異常亢進状態が続くといつまでも妊娠できません。

男女ともに不妊症の原因になることが確実ですので、

妊娠を目指す方は早急な治療が必要です。

下垂体部腫瘍の治療は原則として手術です。

が、脳の中でもとりわけ重要な中枢部と言える部位です。

開頭手術なんてあまりにもハイリスクです。ではどうやって治療するのでしょうか?

答えは内視鏡です。ただし、腫瘍を取り除ければ大丈夫と言いつつ、

プロラクチン産生下垂体線種の場合については薬物療法のほうが基本なのだそうです。

取り除けそうならできれば取り除いた方がいいものの、

無理は禁物ということらしいですね。

●気になること

昭和大学病院のホームページを見ていると、

脳下垂体腫瘍の手術件数が年々増えていることが分かります。

2005年には年間20件程度だったものが、

2010年には30件を超えて40件に迫り、2017年には70件に届こうとしていました。

この治療は通常の内視鏡に比べてより一層高度で熟練した技術が必要な、

特殊な内視鏡治療のようです。神経内視鏡と言って、鼻の奥から病変部を摘出する

治療法なのだとか。他の脳外科、脳神経外科でも経鼻的な手術は

実施しているようですが、神経内視鏡となるとどうでしょうか。

下垂体線種の治療はさすがレディスクリニックでは受けられません。

専門の脳神経外科、脳外科の領域となります。病院ごとに治療に

対する姿勢はまちまちです。

昭和大学病院では腫瘍が広がるほど治療が難しくなるとの記述がありますし、

さわむら脳神経クリニックという脳外科では、

良性腫瘍ならば安易に手術を受けるべきではない、としています。不

妊症の改善を目指す方については治療を避けられませんから、そうもいきません。

シーハン症候群の壊死性症状に比べるとほんのちょっとですが、

怖さは薄いかな、と思いました。十分怖いですけども。

次は潜在性高プロラクチン血症について調べてみたいと思います。

今回の参考

さわむら脳外科クリニック

昭和大学病院

神戸ARTレディスクリニック

でお送りしました。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。