高プロラクチン血症の治療って

高プロラクチン血症の治療

このところ集中してレポートしてきた高プロラクチン血症について、

治療法をすこし詳しく解説していきたいと思います。

投薬治療に使われるお薬の名前や特徴などもご紹介するつもりです。

●原因別「高プロラクチン血症」の治療

・下垂体線種による高プロラクチン血症の場合

下垂体は脳の一部です。

ここに腫瘍がある場合には切除手術を行います。

ハーディ手術(腺腫摘除術)についてはまた別の機会に詳しくレポートしますので、

よかったらご覧ください。

・薬剤性高プロラクチン血症の場合

薬剤性高プロラクチン血症はプロラクチン高値を引き起こしている

原因の薬剤の投与を中止すれば次第に正常値に復帰します。

ただし、本来の目的である病気治療に悪影響が出る可能性を考えると、

代替治療法が見いだせない方については解決の難しい問題になるかもしれません。

・潜在性高プロラクチン血症の場合

もともとプロラクチン分泌量が多くなりがちな体質の場合は、

麦角製剤の「テルロン」や「パーロデル」、「カバサール」

などによる服薬治療を行います。

ドーパミン受容体に作用してプロラクチン分泌を抑えるとのこと。

なお、「潜在性高プロラクチン血症」は書籍「体外受精のすすめ(南山堂)」や、

田中彰レディスクリニックで使用されている名称です。

神戸ARTレディスクリニックでは「特発性高プロラクチン血症」という

名称が使用されています。

●薬剤について

・カバサール

ドーパミン受容体に働きかけてプロラクチンの過剰分泌を止める薬剤です。

これの服用によって乳汁分泌の抑制、排卵障害の解消、

外科手術を行わない軽度の下垂体線種の治療などが期待できます。

服用は1週間に1回、前もって決めたペースに従い、

体調をきちんと観察しつつ利用する必要があります。副作用は血圧低下によるめまい、

ふらつき、眠気や吐き気、嘔吐、便秘などが考えられるそうです。

・テルロン(テルグリド)

基本的な効能はカバサールと同じです。服用によってプロラクチンの分泌量を抑えます。

服用ペースは1回1錠を1日2回、食後に傾向で摂取するというもの。

副作用も同様、吐き気、食欲不振、便秘、血圧低下によるめまい、

立ち眩み、動悸、眠気、頭痛、不眠など。

・パーロデル(ブロモクリプチン)

有効成分ブロモクリプチンを配合した“劇薬”です。

脳下垂体のドーパミン受容体への刺激で余剰ホルモンの分泌を抑える効果があり、

プロラクチン過剰症以外にもパーキンソン症候群、

乳汁漏出症、末端肥大症、下垂体性巨人症などの治療に用いられます。

副作用は血圧低下による吐き気、嘔吐、胃部不快感、頭痛、

倦怠感、めまい、ふらつき、立ち眩みや、食欲不振、便秘、

幻覚、妄想、口乾、発疹などが確認されているとのこと。

現在流通しているドパミン作動薬

(脳下垂体のドーパミン受容体に作用してホルモン物質の過剰分泌を止める薬剤)は

麦角系と非麦角系に分かれます。

では麦角系とは何なのかというと、ここで言うと、

麦角菌に由来するアルカロイドのこと、また、その中でドーパミン受容体に

作用する成分を主体として作られた「ドパミン作動薬」を

麦角系に分類するようです。

非常に強い「劇薬」です。

不妊治療ではこうしたリスクのあるお薬も頻繁に活用されています。

治療を受ける時、ステップアップする時には、きちんと夫婦で医師と話し合い、

納得した上で取り組むようにしましょう。

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30代不妊治療について思うこと。不妊治療を知り、妊活から体外受精や顕微授精についてまで、自分のペースで調べていきます。