不妊症と精神病の薬について
不妊症の原因のひとつ、薬剤性高プロラクチン血症を引き起こす抗精神病薬の
具体名に触れていきます。
すべての抗精神病薬に高プロラクチン血症を引き起こす
メカニズムが備わっていますが、薬剤それぞれのリスクには差があるそうです。
どの抗精神病薬がハイリスクなのか、精神病治療を受けるとして、
どの薬を選べばリスクを抑えられるのか知るために、まずは抗精神病薬の種類を
認識するところから進めていきましょう。
抗精神病薬の種類
● 精神神経用薬
・ 抗精神病薬
フェノチアジン系:クロルプロマジン、ゾテピン、チオリダジン、レボメプロマジン
ブチロフェノン系:チミペロン、ハロペリドール、ブロムペリドール
イミノジベンジル系:クロカプラミン、モサプラミン
ベンズアミド系:スルトプリド、スルピリド、ネモナプリド
その他:アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、ピモジド、ペロスピロン、リスペリドン
・ 抗うつ薬
三環系:イミプラミン(トフラニール)、クロミプラミン(アナフラニール)
四環系:マプロチリン(ルジオミール)
その他:トラゾドン(デジレル、レスリン)、パロキセチン(パキシル)、フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)、セルトラリン(ジェイゾロフト)
・ その他
エチゾラム(デパス)、チアプリド(グラマリール)、トフィソパム(グランダキシン)
こちらのリストは福岡県薬剤師会のレポートに準拠します。参考はこちら。
今後はレポートの最下部にこちらのリストを添付し、
進捗が分かるように赤字でマークしていきます。
精神病と精神病用薬
ここからは精神科クリニックと東京都福祉保健局のサイトが参考になります。
なかなか情報量が多いようですのでこちらにリンクを貼っておきます。
よろしかったらどうぞ。
精神疾患(精神障害)の種類、分類。「精神病」という言葉は
イメージがあまりよくないですから、検索するなら「精神障害」「精神疾患」などの
ワードがおすすめです。大まかに精神障害の種類を分けて把握するなら、
東京都福祉保健局のサイトがいいかなと思います。
このようになっています。
・ 統合失調症
被害妄想や幻聴、興奮などの症状を含むタイプの精神障害で、主な治療法は薬物療法です。
精神障害の中でも統合失調症の割合は多く、全人口に対して罹患率は約1パーセント、
タイプ別精神障害の罹患率ランキング第二位として注目されています。
また、近年、統合失調症患者は増加傾向にあるとのこと。
・ 気分障害
精神障害の代表例、タイプ別精神障害の罹患率第一位に輝くのは、
気分障害に分類される「うつ病」です。ストレスにより惹起されるケースが多い精神障害で、誰もが罹患する恐れがあり、注意が必要です。
気分障害の治療も投薬療法と切り離せないため、薬剤性高プロラクチン血症のリスクを
常に抱えた状態になります。
・ 神経症、ストレス関連
パニック障害や恐怖症、強迫性障害、心的外傷ストレス障害などがこれに分類されます。
強いストレスを感じることによって発生する障害で、
動悸、呼吸困難、過呼吸などの身体的症状や、何かを繰り返し確認しなければ
気に済まないなど、特定の行動をとるところが特徴です。
何度もガス栓を確認してしまう、何度も戸締りを確認してしまうなどもその一種。
・ アルコール、薬物依存
アルコール、麻薬などに起因する精神障害です。
精神障害の中で最も社会的な影響が大きいタイプです。
・ 認知症
脳の萎縮によって起こる障害であり、厳密には精神障害ではなく
脳神経障害と言うべきなのかも?別の分類では「てんかん」も精神障害のリストに
入っていたので、そもそも脳神経障害を「精神障害」としているんですかね?
こちらは認知症に特化した対応が必要です。
・ パーソナリティ障害
著しく性格が偏っている状態をパーソナリティ障害と言います。
感情、衝動のコントロールができないところが特徴です。
ほとんどの精神障害は薬物療法とメンタルケア、社会的要因の改善が主軸となります。
いずれも薬物療法を切り離すことは難しいそうです。
脳の萎縮を伴う認知症のように、器質的な変異に対処するには
やはり薬物は重要ということです。
精神障害に対する薬物療法には、精神療法や社会復帰プログラムへの
導入部としての期待もあります。精神障害の症状を緩和して、
円滑に次のステップに導く役割というわけです。
不妊症に悩んでいらっしゃる女性の中にも、精神的な問題を抱えている方が
いらっしゃると思います。その時には、あえて不妊治療をいったんストップし、
精神科への通院をはさんで、不妊治療に心置きなく向き合える体制を整えるのも
一つの手段になりそうです。
妊娠の仕組み、不妊症の原因、あなたの今
私の知る神戸ARTレディスクリニックのホームページには妊娠の仕組みから
不妊症の原因、検査や治療に至るまでの解説が掲載されています。
精神的な不安を抱えながらも妊娠したいと揺れる気持ちの板挟みになっている女性は、
ぜひこちらのページからひとつひとつじっくり読んでみてください。
そして、あなたが今どこにいるのか、どんな状況なのか考えてみてください。
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